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前回の東京モーターショウでアイを発表、デリカ、ランサーのコンセプトも出来がいいですねと声を掛けると、デザイナーの某氏は「もう後がないですから・・・」と実に潔い返答をしてくれた。そこには、ダイムラー・クライスラーと手を切って、これからは自由にできるゾ、という意味もあったんである。そういう意味では新しいパジェロ、うーん、ちょっと中途半端かなあ。
歴代を意識したと言うだけあって、たしかにどこから見てもパジェロそのもの。多分、先代があんまりだったので、ヒットした2代目あたりを強く意識したんだと思う。三菱自身が直線基調にしたと言っているのがその証拠だけど、そうかなあ、これ。
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いや、原点回帰で直線基調にするのは僕も賛成なんだけど、だったらもっと徹底するべきだったよね。具体的に言えば、ルーフも含めてサイドウィンドウの上下に妙な曲線を残しているし、フェンダーも変な膨らみが施されていて、何だかスッキリしない。分かりやすく言えば、2代目と先代を足して割ったような思い切りの悪さがあるんだよね。それはインテリアにも言えて、機能性よりも先代の豪華指向が強く残ってる。
アイやデリカのコンセプトはあんなに明快なのに、何でパジェロはこうなっちゃったんだろう。多くを販売する海外市場はこういうフォルムを期待しているのか? もちろんアウディQ7みたいに高級SUVを目指しているんだったらいいんだけど、今回は歴代の踏襲が目的なんだから、ここは初代のレプリカを作るくらいの潔さが欲しかったと僕は思う。
ま、月販700台という数字が日本市場での立場を示しているということかな?
(06/10/07 すぎもとたかよし)
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