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なるほどLSはレクサスの主役なんだと思った。
L-フィネスのキーワードのもと、アローヘッドと呼ばれる矢をイメージした造形は、先行の2台よりもこのLSがより明快に体現しているし、そこには結構なオリジナリティがあると思う。だから、今度のLSを単体で見れば、オールニューのエンジン・シャシーに恐ろしいほどの作りこみを施したボディをわずか700万円台から提供していることも含め、とにかく大したもんである。
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ただ、レクサスの是非みたいな話が加わると、今後最低でも数年の展開を見ないことには何も判断できないし、そこに不安がないわけじゃない。
まず、今後追加されるであろうコンパクトクラスやSUVも同様の基本デザインで破綻なくファミリーが形成できるのかということもあるし、次のモデルに移行するときもこのコンセプトを守れるのかとも思う。つまりレクサスがプレミアムブランドとして“伝統”を築くときに、そのアイコンが今後も「先駆」と「精妙」で大丈夫なのか。ぶっちゃけ、アローヘッドの完成版であるLSに次の一手はあるのかということなんである。
LSはよく分からなかったレクサスのコンセプトを最も上手く表現しているけれど、一方でそういう不安も感じさせるんである。ま、初代LSと新しいLSにほとんど共通性がないように、次の世代のレクサスはまた全然違うコンセプトになります、なんてことなら話は別なんだけど。
(06/09/23 すぎもとたかよし)
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