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コラム&レビュー

クルマのまわりで:期待する日産像って??

 
 着地は、そうそう簡単なものじゃないと思う。

 日産車は知らないけれどゴーンさんは知っている、なんて知名度ナンバーワン・トップの逮捕劇は、もうマスコミにとっては大ご馳走な感じだ。完成検査不正など比較にならないほどの報道ぶりは、まあいつもの過熱方向にある。

 一方、自動車メディアといえば、この手の不祥事ネタに対しては、世の中の動きとは逆に「応援」方向に向かうのが常だ。いまスバル特集を組んでいる「ドライバー」誌など、冒頭見開きこそ「不正は残念」なんて書いてあるけれど、その後に続くおよそ50ページの特集はすべて大応援記事という有様なんである。

 ゴーン容疑者案件では、対応の早いWeb媒体で「評論家の声」がすでに何件か見られるけれど、気になるのは「今後は、かつてのようにクルマ好きが憧れるクルマを作って欲しい」的な結びなんである。本件の実体解明がまだまだなのにもう商品の話かい、というのもあるけど、それよりも「かつての憧れ」って何だ?と


 コトはすでに日仏間の話になっている以上、3者の関係解消なんてことはないにしても、日産内のルノー色が薄くなることはあり得る。そこに評論家諸氏が期待するのはわかるけれど、じゃあ現社長下の新体制で一体何を目指せというのか?

 
 そもそも日産はクルマ作り以外の社内闘争で傾き、さらに「日産ファン」に偏重したクルマ作りで傾き、その挙げ句の外資受け入れになったんである。ゴーン容疑者を追放したら、日本人スタッフによって素晴らしい日産が復活するなんて簡単な話じゃないだろう。

 実際、先の評論家の記事を見ると「シルビアを復活させろ」「やっぱり直6エンジンを」なんて無責任なコメントが散見される。そうした亡霊のような遺産にとらわれず、しかし日本市場にマッチし、かつ経営を支えられるようなクルマ作りの青写真はすでに用意されているのか?

 西川社長による違和感満載の記者会見など、自動車メディアとしてはいろいろとツッコミどころはあるにせよ、もし「ガンバレ日産」「かつての日産を」的な話を持ち出すなら、そこには具体的かつ現実的な提案も加えるべきかと思う。

 たとえば、それこそV字回復時の商品群なんかはいい見本だろう。3代目マーチ、2代目キューブ、初代のティーダ、ブルーバード・シルフィ、ティアナ、Z33フェアレディ等々。お金はなくともセンスがよく個性のある商品は作れるし、魅力的なクルマは変にグローバルを叫ばなくても、内外問わず売れるという好例だ。

 また、仮に3社連合が継続したとしても、相互の部品共用などはとくに問題じゃないかと。経営安定のためのコスト管理とコスト第一主義はまったく違う筈。肝心なのは、その上での優れた商品企画なんである。

 これから展開される自動車メディアでの日産案件は様々あると思う。けれども、少なくとも浪花節的な「技術の日産」で懐かしさを謳歌するなど、そもそも日産を傾けたマニア目線だけは避けて欲しいんである。

(18/11/26 すぎもとたかよし)

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