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コラム&レビュー

クルマのまわりで:オートサロン2018雑感

 
 メーカーがオートサロンに本格参加するようになって数年経ち、おおよその取り組み加減が見えてきた。

 その方向がスポーティだったりレジャーだったりの違いはあっても、大半は市販車の「そこそこ」なカスタマイズに収まる。つまり、いつもよりちょっと凝ったオプション装着車という。

 スズキの「スイフトスポーツ・オートサロンバージョン」は、マットな塗装が野性味を感じるけど基本的には化粧直しだし、スバルは「VIZIV パフォーマンス」というコンセプトカーをベースにした点が異なるものの、やっぱり化粧違いの範囲内だ。

 ダイハツは懐かしいデトマソを「スポルツァ」名で復活させたけれど、何せベースがミラ・イースだのブーンなので、どう見ても横に置かれた昔のシャレードに目が行ってしまうのが残念。


 その点、マツダの「カスタムスタイル」シリーズは実にキレイにまとまっているものの、じゃあ、これをわざわざオートサロンに展示する意味がどれだけあるのか?は結構疑問だ。

 セレナの「オーテックコンセプト」は期待のe-Powerを載せているけれど、そもそもニスモとの棲み分けが不明瞭。若干表現が違うのはわかるけれど、どちらも走り・スポーティ路線なのはどうなんだろう。

 
 メーカーがこうしてオートサロンを市販車宣伝の場と位置づけるのは理解できるけれど、個人的には、メーカーだからこそ高い技術力を生かしたユニークなカスタムカーを期待したい。

 たとえば、ホンダアクセスの「ReZ」がいい例だ。CR-Zベースはいかにも無理矢理感があるけれど、それでもメーカー系列らしいテーマはちゃんとあるし、作り込みもしっかりしている。


 各メーカーがそういう視点で新しいカスタムカーを提案すれば、オートサロンとしての独自性が一気に上がるし、もちろん見る側の満足度も高くなる。

 ただ、そこにはメーカーとして相応のデザイン力は必須だ。少なくとも、トヨタの「GRスーパースポーツコンセプト」みたいな滅茶苦茶なスタイルでは、満足どころか逆効果になりかねないんである。


(18/01/14 すぎもとたかよし)

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