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コラム&レビュー

新車心象風景:マツダ・CX-5

 
 いまのマツダを語るのは、ちょっと難しいと思う。

 スカイアクティブと魂動という印象的なコンセプトを前面に出し、全車種を統一させたイメージでまとめる。エンジンをはじめとした機能類は、やはり全車でアップデートを欠かさず、常に仕様変更で対応する。

 統一したスタイリングはブレがなく、こちらも常に進化を絶やさことなく魂動そのものを成長させる。同時に、インテリアもまた全車同方向の考え方でまとめ、群を抜く質感をも与える。

 つまり、商品作りの姿勢が真摯で、ブレも迷いもなく、自らの信じた方針を貫いている。そして、肝心なのは、それら一連のクルマ作りが世界で評価されているという事実なんである。

 そうして2周目に入った新しいCXー5が、若さから大人にコンセプトを進め、目に見えるクオリティアップに力を注いだことに、日本メーカーとして敬意を表さないわけには行かない。


 じゃあ、何が難しいのかといえば、実はその魂動の中身自体なのかもしれない。

 それ以前のプロミネンス・フェンダーを部分的に引き継ぎ、パワーを溜めたフロントフェンダーからリアに向けてラインを引く。リアは、これも後輪に重心をのせるべく後ろからラインが引かれる。この基本的な造形の話だ。


 
 僕は、たとえば新しいCXー5を美しいと思うし、商品としての価値や魅力も感じている。けれども、このデザインに全面的に賛成かと言えば、実はそうでもないんである。

 いや、もちろん僕個人の好き嫌いの話じゃなく、この基本造形は実のところ結構に個性的だという話だ。あるいは、クセが強いと言ってもいいかもしれない。

 新型のデザイナー氏は今回、「引き算のデザイン」としてよりシンプルな造形を目指したと言うけれど、マツダという中規模メーカーが全車でスタイルを統一しようとするとき、そもそもより普遍性を感じる基本形を持っていることが望ましかったと僕は思っている。

 たとえば、現行アテンザには躍動感があっていいなと思いつつ、質感云々を別にすれば、初代の清々しさの方に可能性を感じるといった具合に。

 だから、仮に新世代商品群のスタートを切る先代はそれなりに特徴を持たせる必要があったとしても、2代目以降は必ずしも同じ文法でなくてよかったのでは?と思ったりする。

 新しいCXー5が、より整理されたラインと面を持っているのが分かってはいるけれど、しかしそもそもの造形テーマとしてどうだったのかなと。

 いまのマツダを語るのが難しいというのは、まあそういうことなんである。いや、まったくもって贅沢な注文ということは重々分かってはいるけれど。

(17/04/23 すぎもとたかよし)


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