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コラム&レビュー

新車心象風景:スズキ・ワゴンR

 
 ちょっと、中途半端だったのかもしれない。

 乗用車的にスッキリまとめた先々代が好評で、先代はその延長路線だったそう。わずかにウエッジさせたボディはたしかに嫌みがなく、スポーティさも感じられるものだった。

 けれども、同じ路線が2代も続けば変化を求められるのは常で、名前のとおり「よりワゴンらしく」といった原点回帰な発想が出てくるのも順当だ。今回は、だからその回帰の具合が中途半端だったかと。


 何しろ、ボディの前半分をパーソナルな乗用車風に、後半分を実用ワゴン風にとしたコンセプトがまさに中途半端。もちろん、「ワゴン」をハイエースなど商用車風、あるいはミニバン的な見せ方と解釈したのは理解できるけれど、いかんせん小さなボディの中では消化不足だった。

 そもそもワゴンRの魅力は、上方向にサイズを求めた実用性だけでなく、そこに機能性を打ち出した、まったく新しい道具感溢れるスタイルが新鮮だったんである。それは決して単に商用っぽいだけの表現じゃなくて。

 スズキには、直近で現行アルトという絶好の見本があるんだから、原点回帰というならもっと徹底するべきだったと思う。シンプルな四角形で顔をまとめた標準車でさえ、上屋が重く、のぼーっとしたボディで台無しだ。


 
 さらに、ふつう、ちょっとスポーティ、すごくスポーティという3パターン展開も「どっちつかず」の半端な発想のひとつだろう。もちろん、ノーマルとカスタムという展開自体があまりに安易だし。

 個人的には、もっと機能的でシンプルなボディがあれば、あとはRS仕様くらいあれば十分だと思うけれど、どうしても別バージョンが欲しいなら、より道具感を強めたクロスタイプなど、ヤンキー方向以外の提案を期待したい。

 同じくインテリアも中途半端だ。傘が入るのがウリなどと言うのなら、全体的にもっと機能を打ち出した見せ方もあったと思う。

 最近のスズキは、新プラットホームの評判の一方、商品企画としてどうも安定感が足りない。ハスラーやアルト、イグニスなどの良品がある一方で、バレーノや新しいスイフト、ワゴンRのような半端な商品がしれっと出てくる。

 何でもアリの面白メーカーであっても、一定の基準を確保できるような「まとめ役」を立てるべきなんじゃないか。ワゴンRの散らかりぶりは、そんなことまでも感じさせるんである。

(17/04/16 すぎもとたかよし)


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