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コラム&レビュー

新車心象風景:ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンク

 
 このクルマを肯定する理由は、いまのところ見つかっていない。


 基本、後出しジャンケンで美味しいところを全部もって行く。トヨタについてのそんな表現は以前から当たり前に使われるけど、やっぱりそれは邪道だし、クルマの企画としては誉められるものじゃない。

 もちろん、70〜80年代の混沌とした状況ならまだあり得たかもしれないけど、いまやトヨタは年間一千万台の生産を誇る世界的企業なわけで、王者の姿勢としてはいささか情けない話でもある。

 だから、スズキのソリオにガッツリぶつけるこの企画は、いくら分かりやすい話とはいえやっぱり残念だ。しかも、強力な販売力を動員して中堅メーカーから根こそぎ持って行くあたりは、単なる「対抗車」という次元とはまったく異なるわけだし。

 そして、クルマ自体が醜悪なのはその上塗りなんである。もともと、ソリオもドメスティックカーとして厳ついイメージを持っていたけれど、それが上品に思えるほどの醜さは、もはや正視に耐えない。

 ブーン・パッソという、これまた残念な近作のことを考えると、企画と開発を任されたダイハツは一体どういうつもりなんだと思う。発表会では、トヨタ傘下として皆が妙に生き生きしていたけれど、本当にこれが彼らの「やりたいこと」なんだろうか。

 いずれも自社ブランドではほとんど売れない状況を考えると、ダイハツとしてのモチベーションは一体どこにあるんだと要らぬ心配もしたくなる。よもや、生産台数が確保できれば何でもいいやとは考えてないだろうけど。


 
 で、そんなクルマがトヨタの思惑とおり、爆発的に売れているのがさらに残念なんである。

 この国の市場は、一体いつまでこういう醜悪なクルマを好んで買い続けるんだろう。ミニバンではことごとくカスタムバージョンを選び、アルファードのような巨体はもちろん、軽に至るまでギラギラの改造車もどきが売れる。新しい三菱ekスペースみたいに冗談のようなクルマが次々出てくる。

 もちろん、日本はカワイイとヤンキーで出来ていると言われてきたのは承知している。けれども、平成も30年近くが過ぎ、そろそろそういう感覚も過去のもの、ということにはならないんだろうか。一方で、オリンピックのエンブレムデザインを日本中であれこれ偉そうに語っているわけだし。

 たしかに、コンパクトだけど乗れば広く、しかも安いことは大きな購入動機ではある。けれども、自慢のキーンルックを無理矢理大きな顔に張り付けた、この醜い顔を評価する理由には到底ならない。

 僕らユーザーは、こういう下品な提案に対し、迷うことなく「ダメ出し」ができるような感性を持たなくてはいけないんじゃないか。多様化云々ではなく、まずはその前段階の見識として。

(17/02/08 すぎもとたかよし)


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