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コラム&レビュー

新車心象風景:日産・セレナ

 
 クルマ作りへの姿勢について、あらためて感じ入ってしまうんである。

 いまや販売の中心は軽に移行、登録車のシェアはひと桁が当たり前で、すっかり国内市場は放置状態の日産。

 売れてると言えそうな登録車はノートとセレナくらい。本来売れ筋である筈のマーチは安普請で自滅し、ノートにしても「広い割には安い」のが特徴という残念さだ。

 上級車はグローバルの名の下、日本市場には到底マッチしない「国際商品」を並べただけで、影が薄く、もちろん売れる筈もない。それこそグローバルでの販売が上向けば、日本市場単体がどうのなんて発想はないよ、という体だ。

 けれども、そこに出てきた新型セレナは、意外や「ふつう」に作られていたんである。


 先代までの端正でプレーンな表現は影を潜めてしまったけれど、最近のエモーショナル路線でまとめられたエクステリアには、マーチやノートのように見切ったコストダウンは感じられない。それどころか、特徴的なフローティングルーフなど、日産がグローバルに展開するデザイン言語を、国内専用車にもあえて投入したりしている。

 インテリアも、インパネのステッチ仕上げやドアの内張り、数パターンを用意したシート素材などはそれなりに丁寧に作られている。もちろん、ミニバンとしてのパッケージングも抜かりはないし、オートスライドドアや、分割タイプのバックドアなど、機能面でも新提案がそこそこ盛り込んである。


 
 つまり、5ナンバーの購入しやすい量販国内専用車として真っ当に作ってあると。特段何かがスゴイわけじゃないけど、「ふつう」には作ってある。これで数ヶ月後にストロングHVが追加されれば、まあいまどきの国内商品として隙はない。変な話だけど、やろうと思えば、いまの日産でも国内市場にマッチした相応の商品を作れるんだなあと。まあ、プロパイロットなどという何でもできそうな名前の運転支援システムにいささか頼った販売方法は気に入らないけれど。

 で、逆に言えば、じゃあマーチやノート、あるいは消えたラティオあたりは本当に手抜きだったんだねって話だろう。

 数少ないヒット作であるセレナは大切にという気持ちは理解できるけれど、だからといってここまで開き直ったかのような作り分けはもちろんいただけない。ふつうに作れるんだったら全部ちゃんとやらなきゃ。

 安普請のコンパクトと「ふつう」に作ったミニバン、やたらにデカく値の張る上級車。他社と共同開発の軽。その場その場の都合で、埋め合わせのように投入されたラインナップがいまの日産なんだとあらためて思う。

 そんなこんなを「やっちゃえ日産」のひとことで煙に巻こうとする姿勢は、もちろん論外。自分で言うんじゃなくて、ユーザーから「やってるね」と言ってもらうには、地道にちゃんとしたクルマを作るしかないんである。

(16/09/21 すぎもとたかよし)


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