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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:懐かしさ最優先?

 
 どこかに期待があるだけに、結構残念な感じなんである。

 雑誌「NAVI CARS」の定番企画、「NAVI CARS TALK」のお題はトヨタ・アルファード。

 ライバル、日産エルグランドのお株を奪ったコテコテのラージサイズミニバンは、意外にも新型では運転席で楽しめる出来となっていることが好評で、これをニッポン独自の高級車として認めるべきだろうとの方向に話は進む。

 さらに、その流れは「これまで自動車評論は欧州文化に軸足を置いてきたが、そろそろ自国のヤンキー文化を認めなくちゃいけない」と収束する。日本車の運転の安楽さ、快適さを受け入れよう、もっと素直になろうと。

 まあ、言いたいことはわかるけど、ちょっとそれはどうかと思ったんである。

 結構に高価なベルファイアの運転の安楽さ、快適性、操安性、そして静粛性を認めて評価したいのなら、それはそれでいいんだと思う。かつて、トヨタ車を筆頭に追求された時速100キロ以下限定の快適さが時を経て相応に進化し、いい意味での日本車独自の快適性を獲得したとしても不思議じゃないし。

 ただ、それとヤンキー文化とはちょっと違うだろうと思うんである。

 アルファードもベルファイアも独自の豪華絢爛さはまさにヤンキー方向だけど、「運転してよかった」というのは派手な見た目とはまた別の話だろう。ミニバンという形態自体もいまや日本だけの土着風習じゃないし、そもそもTALKメンバーはギラギラのグリルや紫色に光るインテリアを誉めているわけじゃない。


 
 いや、独自の「ラクさ」がヤンキー文化と繋がっているんだと言いたいのかもしれないけれど、ジャージスタイルのそれは「ユルさ」なのであって、しっかりとした走行性能が素晴らしいというなら実は真逆の話だ。もちろん、それはこれまでの自動車評論の方向と特段違わなくて。

 NAVI CARSという雑誌は、かつてNAVIに関わった編集者が「あの頃をもう一度」という趣旨で作ったかに見える。それは、特集や各コーナーがほとんど当時のまんまで、驚くほど新しい発見・発信がないことからも感じるところだ。

 残念ながら、「もうそろそろヤンキー文化を受け入れる時期に来た」という結論も、だから想定内の「異論」に聞こえてしまうんである。あー、ちょっとしたことでそんなこと言っちゃうのね。じゃあ皆さん、もうポルシェとか評価しないのね、というような。もちろん、ヤンキーなジャージ姿の扉写真という“お約束”も含めて。

 NAVI CARSはもちろんNAVIじゃないのだから、きっと同じものを期待するのは違うんだろうと思う。ただ、語っているメンバーはいまやベテラン、第一線の方々ばかりだ。時代が変わったとはいえ、それならそれで、かつてNAVIがそうだったように、「読者の想定」を上回る何かが欲しいと思うじゃないか。

(15/07/19 すぎもとたかよし)

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