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熊本への出張ついでに、阿蘇方面へレンタカー・ツーリングをしてきました。
“車種お任せ”にしていたレンタカーは、日産ノート。加給器なしのベースグレードです。最近出張先ではずっとマーチが続いていましたが、今回は“国産”ですね。
仕事の翌朝にクルマを借り、昼前には阿蘇に到着。そのまま内牧温泉にある「いまきん食堂」へ。ここは、阿蘇のあか牛ステーキ丼で行列のできる店。今回僕は比較的すぐに入れましたが、直後には大行列になっていました。
食後は、阿蘇駅近くの隠れ茶房「さ蔵」へ。ここは旧い蔵をリノベーションしたお洒落なカフェ、ということで行ってみましたが、少々凝りすぎでした。店構えをあまりに小ぎれいに整えたり、オーナーさんが妙にきっちり丁寧だったりると逆に和めないんですよね。その辺の塩梅は微妙です。
その後は阿蘇登山道へ向かい、草千里を散策して宿へ。阿蘇は緑の濃い夏ばかり来ているので、枯れ草色一面の風景はまた別の美しさがありました。この日は南阿蘇の公共の宿です。
翌日午前中は阿蘇神社へ。ここは豊富な阿蘇の湧水がすばらしく、いつも気持ちをよくしてくれる場所です。で、この神社近くにあった女学校跡を改装したアンティーク・カフェ「Tien Tien」が午後の目的地。
旧い木造建築をリノベーションした店舗は最近の流行でもありますが、その流れは阿蘇にも来ていたようで、ここはゆったりできる「当たり」の店でした。
2日目の宿は、熊本では毎回訪れる「わいた山温泉」へ。ここは、すぐ隣の黒川温泉と違って隠れた名湯と思っていたのですが、何と先日NHKの朝番組で紹介されていて驚きでした。ただ、それで妙な人気になっているということもなく、今回もゆっくり過ごすことができました。
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最終日は、もうひとつチェックしていた地元のカフェ「BEAR」。クルマ1台がやっとの細い山道を10分ほど登った小高い丘にある店は、落ち着いた内装と美味しいメニュー、そして絶景が用意されていました。
7年ほど前にご夫婦でオープンしたそうですが、山道に入る看板は実に小さく、まさに隠れ家のような存在です。よき時代のサンスイのアンプとヤマハのスピーカーが鳴る店は、ここ小国町の新しいお気に入りになりました。
その日の午後には大分道を走って博多に移動、新幹線で帰途へ。
何度か書いていますけど、28年前のコンパクトカーに乗る自分にとっては、たとえ軽であっても現代の車はどれも便利で高性能なクルマです。ベースグレードのノートも、わずか1.2リッターエンジンながら、もっとも効率よく出力を引き出すCVTがまさに最新なところ。今回、阿蘇の登山道をほぼ2000回転を維持しながらドンドン登って行くのには感心しました。
もちろんキーレスエントリーやオートライトは便利だし、アイドリングストップによる省燃費性能は、全行程400キロをリッター20キロ以上で走り、燃料計はまだ半分・・・といったものでした。後席もドーンと広いこのクルマに、一体何の不満があろうかと。
と言いたいところですが、そう簡単ではないですね。マーチほどではないにしろ、ゴーゴーとタイヤがついた“ガラン胴”に乗っているかのような感覚がまず残念です。3年も4年もかけて作ったのがコレ?という安普請な内装は、その残念さを大きく助長しています。
先のエンジンも、いざ長い直線道で加速しようとすると気持ちに速度がついて来ず、トルクを筆頭に出力の絶対的な低さが露呈します。いえ、力がないことがダメということじゃないんですけど、便利機能と低燃費一辺倒でやってきたここ数年の国産車を3日間体験して、まあこういうことなんだよなあと。ノートとして、全グレードがスーパー・チャージャー付きって話にどうしてならないの?とか。
安くて便利で燃費がよくて、とてもつまらないクルマ。高機能の象徴であるHV旋風の一方で、そういうクルマがずいぶんと増えてしまったのでしょうか。
(14/03/11 すぎもとたかよし)
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