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コラム&レビュー

新車心象風景:メルセデスベンツ・CLAクラス

 
 CLAはカリーナEDなんだろうか?


 初代CLSが出たとき、カリーナEDをして「日本は20年以上も進んでいた」旨の記事をいくつか見かけた。もちろん、言いたいことは十分に理解できるけど、ただ、それが的を射ていたかどうかは少々疑問だと思う。

 いや、とくに難しい話じゃなく、商品展開の明快さという意味で。

 基本展開の「C」「E」「S」という歴史ある軸があったから、たとえばここに「A」や「B」と来れば、まあその立ち位置は容易に想像できるし、「R」や「G」が別モノだというのも分かりやすい。さらに「CL」「SLK」だのと、派生車種もこれに準ずるから、その素性もまたやっぱり分かりやすい。

 4ドアを展開し始めたアストンやポルシェを意識するかのようなタイミングでCLSが出たときも、だからこれが大ぶりな4ドアクーペだったのは文字通りで、実際にも大きなカーブを描いたボディは、その特殊感を想像以上に醸し出したものだった。

 まあ、市場の動向によって生み出された派生車であることは疑いようがないけれど、しかし商品にするのであればその素性と立ち位置を明快にした上でユーザーに提示するのは、メーカーとして最低限の責任を果たしていると僕は思う。こいつは4枚ドアだけど、背が低くて見た目重視のクーペボディである。そういうのが欲しいユーザーだけ買ってくれと。

 一方で、カリーナEDにはそれがなかったんである。4ドアHTという、もともとおかしなボディが氾濫していた日本市場に、勘のいいトヨタがポンと送り出したエキサイティング・ドレッシィという名のセダンは、だからその正体が明快になる間もなく爆発的なヒットとなり、後追いの亜流をも生み出した。


 
 それが証拠に、当時のユーザーからは「後席が狭い」「天井が低い」などという実にバカげた声が多く寄せられたんである。おいおい、それを知ってて買ったんじゃないのか?という。

 当時、僕はこのカリーナEDを批判したけれど、その反応として必ずあったのは「選択肢は多い方がいい」という反論だった。それはある意味正論だったけれど、ただ、残念ながら「売ってしまえばこっちのモノ」というメーカーと、流行や空気に無抵抗の未成熟な日本市場には当てはまらないとさせてもらった。

 で、CLAだ。

 あ、Aクラスベースの4ドアクーペ、CLSの弟分ね、というインフォメーションが明快な名前は、ボディサイズがずっと小さい分、FFとはいえさらに後席がタイトになることも同時に明示している。つまり「C」とは違うクルマですよと。

 それがハッキリすれば、あとはもう好き嫌いの世界だ。昔ながらのメルセデスファンが「FFはナシだよなあ」と思うのも、「こんな妙なスタイルはイヤだ」と思うのも勝手なんである。それこそ多くの選択肢が用意されてますって話だし。

 もちろん、背が低くて小さなキャビンの見た目重視なセダンという点で、カリーナEDとCLAは似たもの同士なのは間違いない。僕自身だって、パッケージングはともかく、最近のメルセデスに共通したクドいキャラクターラインをもつこのボディは好きになれない。

 けれども、メーカーの商品展開の明快さや、あるいは市場の成熟度の違いを考えたとき、CLAを単に遅れてきたカリーナEDとするのは、だから少々違うんじゃないかと思うんである。

 ただしだ、もしこのCLAが一代で消滅するようなことがあれば、単に流行りモノを企画しただけとして、それこそ商品展開の不徹底さが指摘されて然るべきだとは思うけれど。

(13/08/02 すぎもとたかよし)

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