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博多への出張ついでに1泊で遅い夏休みを取り、温泉ドライブをしてきました。
出張パックで予約した「指定不可」のレンタカーは、博多駅前の日産レンタカー。安いパックだし、もしかして軽?と思っていたら、意外にも新型マーチでした。
目的地は、以前訪れてすっかり気に入った阿蘇小国の「わいた温泉郷」。朝9時に都市高速へ入り、太宰府インターを経由して九州道へ。熊本で評判のラーメン店「こむらさき」で少々早い昼食をとり、お城を眺めつつ阿蘇へ向かいます。
阿蘇ではもちろん「やまなみハイウェイ」を目指したのですが、最初の山越えを含めた結構な範囲が、先日の九州豪雨の影響で通行止めに。新聞などでは「阿蘇はもう大丈夫です」と観光協会が広告を掲出していましたが、あの大きな災害、いまだ法面崩落というのも当然かもしれません。
大きく迂回してちょっぴり「やまなみ」を走り、有名な黒川温泉からさらに北西に30分ほど走ると、わいた温泉郷へ到着です。ここはいくつかの源泉が集まった広い地域ですが、今回向かった「はげの湯」は集落のいたるところから蒸気が吹き出しているという、温泉好きには夢のようなところです。
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旅館「たけの蔵」はネットでの評判とおり、宿もお湯も食事も素晴らしかったです。ここで仕事の疲れ?を癒し、翌日は朝から地元で評判のパン工房「そらいろのたね」や、黒川温泉外れの隠れ家的なカフェ「Cafe Ciel」などをゆっくり散策し、午後には大分道で再び博多へ。夕方の新幹線で帰京という予定です。
さて、新型マーチはいまのクルマらしく、使い勝手には何の不満もないというか、まあ比較が我がジェミニなので、あまりの便利さに感銘すらしました。この圧倒的な安心感と簡易性は新しいクルマの証ですね。
そして燃費のいいこと! アイドリング・ストップ付きの1.2リッターエンジンは、返却時走行約380キロで給油は20リッターを切りました。いやあ、いまどきはこんなことになっているんですね。
でも、じゃあ欲しいかといえばそんなことはないです。これは少し前から感じていることですが、最近のクルマ、とくに廉価なコンパクトカーは、それこそ安いコンパクト・オーディオやラジカセを連想させるんですね。
モジュール化で部品点数を減らしたCDなどの駆動系や、高集積チップによる超多機能にデジタル化されたアンプ部など。これらの機器が安っぽい一体成型のプラスチックケースに収まった様は、高効率エンジンやアイドリング・ストップ機能など、先進の機器を実に安っぽい内外装で包み込む昨今の「省燃費で安い」クルマそっくりなんです。
そのせいか、ボディ自体は頑丈なんでしょうけど、走行中ずっと“ゴアン”と鳴り響く車内は遮音を感じないというか、ああ鉄のボディに安いプラスティックが張ってあるだけなのね、なんて思わせます。トルクバンドを有効に使う最新CVTがあっても、ちょっと登りになると一人乗車ですら減速し、ガサツな音を上げるエンジンで結構残念な感じですし。
キーがポケットに入っていれば、エンジンは掛かるしドアも開く。マーチとの2日間は、とても便利だけどコレっぽちも愛着が持てない、いまどきの「商品」というものをしっかり見せつけてくれました。
(12/09/06 すぎもとたかよし)
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