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NHK「日曜美術館」に刺激されて山種美術館へ福田平八郎を観に行ったついでに、ウワサの蔦屋書店・代官山に寄ってみた。
代官山などという一等地にありながら、120台分の平地駐車場を備えたのがウリのひとつだと聞いていたけれど、この日も日曜の午後なのに「空車」だったのがまず驚き。
もちろん、その駐車場は都心らしく外国車率が異様に高いのに加え、フェラーリ、ロータス、サーブといった“濃い”クルマも散見されるのが「らしさ」かと。さらに、業界人かモデルさん?と思わせるほど、誰も彼もが妙にお洒落な感じなのも、さすが注目のスポット。
で、駐車場とは逆に「1時間待ち」というメイン・レストランは早々にあきらめて、書店へ。
元リンドバーグのオーナーが監修したと聞く自動車コーナーは、想像以上に広いスペース。国別の洋書や雑誌、レース本、一般書籍に加え、国内雑誌の古本、そして市販車のカタログまで揃えたのは大したもの。
ただ、ちょっと予想はしていたんだけど、個人的にはあまり肌が合わなかったかな。
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僕はよく「クルマ好きがすべてポルシェ好きじゃない」というようなことを書くけれど、ひとことで言えばそういう感じ。広い壁面には雑誌『CG』代表の加藤氏のおすすめ10ベストシーンのパネルが展示されてあったけれど、そういうのに共感するのが当然、あるいは前提というか。
言い方は難しいんだけど、こうした場所はたしかにある種のクオリティ、あるいは品位を保つことが必要なんだと思う。ただ、その手法、雰囲気作りがどうも一定方向の「お約束」に縛られている気がして。
いや、べつにイニシャルD方向を持ってこいってわけじゃんないんだけど、クルマ好きにはもっと幅広い嗜好がある筈で、その新たな市場を開拓するような提案があってもよかったんじゃないかと。
日曜故にバタバタ混雑していたスタバは仕方ないとして、大人な雰囲気のラウンジもいまひとつ。落ち着いた調度品やiPadのメニューはいいけれど、珈琲1杯900円の店を演出したいなら、店員のサービスはもっと質を上げた方がいいと思う。あれなら、全館ブック・カフェスタイルにして、すべてスタバにプロデュースしてもらった方が納得できそうだ。
今回は時間の都合で自動車以外のコーナーや、あるいは映画ソフトブースにも寄れなかった。恐らく、そういうトータルな視点で見れば、やっぱり十分楽しめる「大人のスポット」には違いないんだと思う。
まあ、次回はもう少し時間に余裕を持って出掛けてみようかな。
(12/06/27 すぎもとたかよし)
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