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コラム&レビュー

新車心象風景:ルノー・ウインド

 
 ウインドを見て思うのは、最近の微妙なフランス車デザインについて、だ。


 トゥインゴとフロントを共有する2ドアボディは、しかしそれを意識させない展開をボディ後半に持ち込んでいる。なだらかに下るルーフラインと、リアに向けて上るショルダーラインのダイナミックな対比がこのクルマの明快なデザインテーマだろう。

 絞り込まれたリアランプ回りもウインドの個性として演出され、そこにはこれが既存車ベースなんかじゃありませんから、という気概も感じる。

 そうやってできたウインドは、いまどきのメタルトップ2ドアオープンとしてそれなりのまとまりを持っている。もちろん、あからさまな手抜はないし、「センス悪ぅ」なんてこともない。

 なんだけど、見方を変えれば「これはスゴイぞ」ということもないんである。悪くはないしユニークでもある。けれども、特段に目新しいとか、目を奪われるほど美しいわけでもない。

 実はこれって、僕が最近のフランス車全般に感じることなんである。


 
 同じルノーでは、メガーヌがナマズみたいに締まりがなくなって先代のよさを失ってしまったし、マイナーチェンジをしたルーテシアも微妙に緩くなった。

 ツリ目路線から方向転換したプジョーもイマイチだ。繊細さと正当派プロポーションを示したコンセプトカーは期待を抱かせたけど、新しい508はそこまでのキレも完璧なプロポーションも感じさせない。

 シトロエンはC6以降に一時いい流れを作ったけれど、今度のC4は日本車みたいな小手先に走っているし、DSシリーズは以前ここに書いたとおり、いまひとつピンと来ない。

 そういう、長い時間に耐え得るデザインを持ったクルマが、最近のフランス車にはとても少ない気がする。ルノーはルケモン、プジョーはピニンファリーナなんていまさら言うつもりはないけれど、それでも、いまや先代のよさをそこそこうまく引き継いだルノーのカングーや、シトロエンのC3あたりくらいしかコレというクルマは思いつかない。

 ウインドは、たとえばクローズ時のルーフラインに「段差」をつけるなど、欧州車らしいヒネリもしっかり用意はしているんだけど、じゃあこの先名作としてずっと残るクルマかといえば、だからそうは思えない。

 もちろん、ディテールまでしっかりと作り込んでいるのはわかるから、この中途半端さは実に残念なんである。

(11/08/06 すぎもとたかよし)

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