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コラム&レビュー

クルマのまわりで:ジュネーブショー散策(その6)

 
 ジュネーブショーからすっかり日が経ってしまったので、これを最後の散策しようかと思う。

 60ものワールド・プレミアを果たした今回のショーで、個人的にいちばん気になったのは、意外なところでシュコダの「ヴィジョンD」だった。


 「SIMPLY CLEVER」というキーワードに基づく5ドアハッチボディは、言ってみればクーペ風だけれど、流行のメレセデスCLS調とは真逆な方向に行ったのがまずよかったし、自身近作のファビアとまったく違うのも面白い。

 フロントグリルやボンネットラインに従来のシュコダイメージを残しつつ、腰高なリアを持つビッグキャビンと、一直線のショルダーラインによるシンプルな面で構成されたアンダーボディとのバランス、そしてロングホイールベース・ショートオーバーハングのボディは、とにかくプロポーションが美しい。

 それに、端正なフロントフェイスでは、フォグランプを組み込むバンパー下部が、最近一連のVW車の処理に近く、もしグループとしての統一感を狙ったのなら大したもんである。

 僕はこのクルマを見て、ピニンファリーナが関わったといわれる、かつてのホンダ・クイントインテグラを思い出した。僕はあの5ドア、とても評価しているので。


 
 ところで、最近ブログにいただいたコメントの中で、ここではシンプルなデザインが過大評価されていないか、というものがあった。僕自身の記事や、他にいただくコメントを見れば、そう感じるのも至極もっともなことだと思う。

 ただ、気をつけなくてはいけないのは、以前一緒に仕事をした前澤義雄氏も言っていたように、シンプルと単純(平凡)はまったく違うということで、それを混同しないことかもしれない。

 まあ、「シンプル」という言葉が誤解を与えるんだろうとは思う。けれども、たとえば少し前のアルファのGTVなんかは、ボディに強烈な斜めのラインが入ってえらく刺激的なスタイリングだけど、しかし造形としてはふたつの塊による、まさにシンプルそのものだった。つまり、単に平板なのがシンプルということじゃないんである。

 その差を個別例をあげずに言葉にするのは結構難しいけれど、結果的にアッという間に陳腐化もしくは風化するか、それとも長い時間に耐え得るかという、実に大きな違いがある。

 さて、同じVWグループとしては、デ・シルバがデザイン改革を行ったセアトがより派手で注目度が高いブランドだ。今回、そのセアトはSUVの提案だけど、シンプル路線のホワイトボディという、ヴィジョンDとまったく同じ見せ方をしてきた。

 もしかしたら、そのあたり事前の調整があったのかもしれないけれど、結果としてはシュコダの提案の方がより完成度が高かったと僕は思う。若いチーフデザイナーがかなり露出していたので、早速イタルの影響があった・・・わけじゃないだろうけど。

(11/03/24 すぎもとたかよし)

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