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首都圏ガソリンスタンドでの異常な行列と、それによる休業店舗続出。行列は不安から起こるわけだけど、その不安は情報の不足が大きな原因だ。
で、業界団体はこんなポスターでもって冷静になるよう訴えることになったんだけど、「全力をあげて復旧します」は情報じゃないから、やっぱり何だかよく分からないんである。
ということで、サラリーマン稼業の昼休みのわずかな時間を使って、ササッと当該団体に話を聞いてみた。まずは石油連盟の広報グループから。
−そもそもの震災による損壊とは、具体的にどこなのか?
「関東・東北地区の大型製油施設では、全8ヶ所のうち、コスモ石油千葉、JX日鉱仙台、そして茨木の鹿島石油の3ヶ所が大きなダメージを受けました」
−その3ヶ所の損壊が実際ガソリンの供給に影響したのか?
「これによって供給が滞ったのは間違いありません。ただ、具体的な数字は連盟では把握できておらず、数字は各社単位で持っているだけです。これに加えて被災地への優先供給、他社への供給支援も行っています」
−現状と今後は?
「損壊3ヶ所以外はフル生産となり、従来とおりの供給が可能になっています。そういう意味では今日現在で通常の販売が可能な筈ですが、まだ買占めがありますので、実際に通常に戻るのは今週末くらいになる可能性があります」
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続いては、都内のガソリンスタンドを会員とする東京都石油業協同組合の広報担当。
−震災発生から先週まで、スタンドへの供給状況は実際に減っていたのか?
「減っていたのは間違いありません。直接話を聞いた店舗では従来の7割ということでしたが、そこはまだいい方だと思います。とくにコスモ石油系列は回りが悪いようです」
−供給は各店舗のタンク100%になっているのか? また、休業店舗はどの程度発生しているのか?
「店舗にもよりますが、オーダーとおりに行かず、少量しか補充できなかったところもあると聞いています。休業店舗については資源エネルギー庁から調査依頼が来ているのですが、いまは50%程度としか把握できていません」
−連休までは開店と同時に売り切れ状態だったが、通常、スタンドへの補充はどの程度の間隔なのか?
「これも店舗によりますが、非常に回転の早い店で1日1回、その他では3日から1週間に1回程度です。買占めでは、それだけいつも以上に多く給油されているということになります」
−現況と今後は?
「今日から状況は変わっていると思います。実際、今朝も開店している店舗をいくつか見ました。地域差はありますが、関西地区からの供給も再開されたようですので、急速に回復する筈です」
今日、仕事が終わって片道20キロの帰途を走る中では、営業している店舗はわずか1店だけ。他は昼間に終わったのか、終日休業だったのか。けれども、その1店舗の行列の長さはかなり短くなっていたようだ。
本来は今日から通常販売に戻っておかしくないということだから、あとは「買占め隊」とのバランスがどこで逆転するかだろう。
広報担当者は、遅くとも今週末にはこの狂騒も収束するとのことだけど、本当は誰も見ないようなポスターじゃなくて、TVを始めとしたメディアに積極的に「状況」を訴えるとか、静止画でいいから、ACに割り込んで広報するとかして欲しかった、かな。
(11/03/22 すぎもとたかよし)
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