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ここ2年ともこの時期に書いていますが、今日、地元国立市で谷保天満宮旧車会が開催されました。
これは、明治41年に、当時自動車の宮様と称された有栖川威仁親王が企画した日本初のドライブツアー、「遠乗会」の目的地が谷保天満宮だったことにちなみ、地元有志、商店街等が3年前から行っている旧車のイベントです。
初年度は市内公園に「昭和のクルマ」を大々的に集めて記念的に行われましたが、2年目以降は天満宮を会場とした展示が中心です。
昨年は70数台のところ、今年は何と120台オーバーの展示だったそうで、なるほど昨年よりも開催区域が広がっているようでした。
展示は60,70年代を中心とした内外の旧車ですが、なかなかバラエティに富んでいて、たとえばスバル360もあれば、メルセデスの190SLもあるという具合です。
どのクルマも見事なコンディションで見応えがありましたが、個人的にはたとえば写真のパブリカが目に入りました。こういう実用車がレストアされて何気なく置かれているのはいい感じですね。
ボンネットを開けたコスモ・スポーツは、青く光るキャブレターはもちろん、シールの類まで純正パーツだとか。もちろん手持ちのもの多いのですが、まだマツダから入手可能なものもあるそうで、そうしたルートの確保には恐れ入るばかりです。
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フィアット850クーペもいい佇まいでしたね。ブルーのボディはバランスの取れたプロポーションで、リアビューも美しかったです。
この3台を始め、今回は外装だけでなく、内装もしっかり維持するなり、復活させているクルマが多いのが印象的でした。この手の旧車は外装がピカピカでも、内装が改造し放題だったり、あるいは相当な痛み具合だったりすることが多いですもんね。
イベントとしては、クルママニアだけでなく、家族連れが多いのが意外でした。地元周辺の方達が、こんなに大勢クルマのイベントに足を運ぶことが半分驚きでしたし、嬉しくもありました。
また、多くのクルマが多摩ナンバーだとううことも驚きでしたね。一体どこに隠れていたんでしょう。
ところで、こうしたクルマの祭典がある一方、国立では、市の特徴である大学通りを中心とした放射状道路の結線、つまり国立駅前のロータリーをつぶして公園を作ろうという動きがあったりします。
国立は東京でも数少ない革新市長ですが、その革新が「車から人へ」といういささか時代錯誤な市民運動的発想に陥ったかたちです。数十年も前に、自動車先進国である欧州の街作りを導入したシンボル的ロータリーを、「市民のため」の声のもとに潰すという、本末転倒な計画です。
旧車会の賑やかさを見ていて、何とも皮肉な状況を感じた日曜日でした。
(10/12/06 すぎもとたかよし)
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