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コラム&レビュー

■自動車雑誌を斬る!「伝えるべきこと」

 クルマを取り巻く環境が色々な意味で厳しいとき、雑誌として新車がどうのこうのばかりは言ってられないご時世なんである。じゃあ一体何を伝えればいいの?という話なんだけれど、今回は同じ雑誌の中で「惜しいけどダメ」な記事と、全然「ダメダメ」な記事をふたつ取りあげて考えてみたいと思う。それは8月20日発売の「driver」誌からである。

企画はいいけれど
 まず「惜しい」記事から。
 これは以前から始まっていた「燃費向上委員会」という連載もの。今号の内容はクルマの燃費を示す10・15モードがどのようにして計測されているかの取材記事で、「燃費の真実に肉薄する!」と鼻息も荒い。話としては、10・15モードは交通安全環境研究所という独立行政法人の試験場で厳密に測定されること、そしてメーカーはそこに「測定のプロドライバー」を送り込んで申請値をパスさせているというもの。
 で、何がダメなのかというと、このプロドライバーによる測定試験を普通のドライバーが受けたら、せいぜい申請値の75%も出ればいい方だというメーカー側担当者の話をもってして、結局燃費はドライバーの運転技術に依るところが大きいのだという論調なんである。いや、数字を上げるのにドライバーの運転技術やスキルが直接反映されること自体は事実なんだろうけど、雑誌として発言するのはそういうことじゃないでしょう?

問題点はどこ?

 10・15モードが実燃費からかけ離れているなんてことはクルマ好きにとっては周知の事実だけど、それを測定している向こう側の人間が公然と口にしている現状にメスを入れなくてどーする?何て言うかな、大学入試用のピンポイントな受験勉強みたいに、測定用ドライバーじゃなきゃ出せないような数字を公称値にすることを、どうして問題にしないの?僕らと違って特別クルマを趣味としないユーザーは、やっぱりこの10・15をそのまま信じる、と言うかアテにしちゃうでしょう。一般のドライバーで75%がいいところなどと言うのなら、それを公称値にするような計算式を作るべきだ、くらいのことがなぜ書けないのだろう?
 燃費について様々な角度から検証するという企画自体は僕も面白いと思うけれど、もっとメディアの人間としての視点を持たなきゃタダのお遊びになってしまうでしょう。奇しくも記事の中で自ら「とても有意義なオトナの社会見学だった」なんて書いているけど、これじゃあ子供の社会見学の感想文と同じじゃなないか。


セールスマン攻略法
 もうひとつは同号の「カシコイクルマの買い方!」という特集で、こっちは「ダメダメ」な記事。
 自動車評論家には、その記事内容に応じて決まった「指定席」みたいなものがあるけれど、新車購入指南となると今回登場している評論家の登場となる。今回の特集は9月末までの決算セールが購入のチャンスだということで、各ジャンルのライバル車2台を競合させ、いかに1円でも安く買うかという実践ものなのだけど、この内容が凄いと言うかヒドい。例えばホンダライフとスズキのワゴンR。
 まずはホンダのディーラーに行く。と、「ワンプライス制なので値引きはできません」と言われ、主人公の私が黙り込むと「下取りを25万円から30万円にします」との返事。その足でスズキのディーラーに向かい、ホンダはこうだったと話す。一度奥に引っ込んだセールスマンは「いま契約していただければ値引き5万円で下取りもホンダさんと同じにします」。しかし、こんなことじゃあハンコは押すものかと再びホンダへ。「所長と話をしまして、スズキさんと同じにします。コレが限界です」。よ〜し、ということでまたまたスズキへ。同じように所長と相談したセールスは「では、下取りを35万円にします」。ここに至って「私」の気持ちは決まるのだけど、しかし最後のひとことが泣かせる。「雨用のドアバイザーを付けてくれたらここで契約します」。
 いや、何がすごいって、これはすっかり実践記だと思ったら、実はこの評論家が自分で考えた架空の交渉録なんである。もう呆れたなんてもんじゃあない。

大人がやるべきこと
 あのね、何て言うか、クルマは元々高い買い物だから、余程のお金持ちじゃなければ誰だって少しでも安く買いたいのは事実だと僕だって思う。けれども、購入専門か経済専門か何だか知らないけど、自動車評論家と名乗る人間自らがこんな意地汚い購入劇を書いてどうする?だってこれじゃあクルマそのものの魅力じゃなくて、どっちが数千円、数万円安いかだけでクルマを選べってことでしょう。仮にも評論家としてメディアに住む人間が、何の恥じらいもなくこういうものを書くなんて僕には到底理解できない。
 ユーザーが1円でも安く買いたいのなら、あるいはそれによって車種を決めるというのなら、そんなのは勝手にやらせておけばいい。セールスマンを困らせて所長に相談させに行くことで「勝った!」と思うのならそう思わせておけばいい。そういう見識眼のない消費者は同じユーザーとして情けないけど仕方がない。
 ただし、それをジャーナリストが、メディア側の人間がご丁寧に指南するなんてバカげたことは、心底止めて欲しいと僕は思うんである。

(03/08/26 すぎもとたかよし)

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