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カロッツェリア? あ、カーステレオのね・・・。
というくらい、コンビニ系の自動車雑誌(コンビニに積まれてる類の雑誌を僕はこう呼ぶ)にとってイタリアの自動車工房なんてまったく縁のない存在だった。けれども、つい最近売られているそれらの雑誌にはこのカロッツェリアが何とトップ記事になっているんである。そうです。イタルデザインがジュネーブショウに出展したアレッサンドロ・ボルタの話です
■イヤな感じ
ボルタはジウジアーロのご子息によるという、いかにもイタルらしい張りのあるバランスを重視したスタイルが見所だけど、その心臓がハイブリッドであることも大きな話題のひとつとなっている。でも、何が一番かって、そのボディに我がトヨタのマークが貼り付けられていたことなんである。つまり日本車だってことが騒ぎの原因なわけだけど、僕はこれが何とも情けなくてイヤだ。
だって、先にも書いたけれど、いつもは外国車メーカーにすらほとんどページを割かないコンビニ雑誌が、いくら日本メーカーのバッジをを付けたコンセプトカーを出したからといって、いきなりイタルデザインだのジウジアーロだの大騒ぎするなんて、何て言うかあまりに幼い。ホント子供だ。
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■島国根性?
日本人っていつもこんなんだよね。
たとえばオリンピックの中継とか観てもとにかく日本人、日本チームばっかり応援しまくって、どんな技術があっても外国人にはほとんどスポットが当たらない。スポーツニュースのメジャーリーグ情報なんていい例でしょう。まさにニッポンチャチャチャ状態。
外国での事件や事故も同じ。とにかく被害者に日本人がいるかいないかそればっかりで、いなければ「ああ、良かった」と言わんばかり。ノーベル賞もアカデミー賞も、そして宇宙飛行士もみ〜んなそう。
で、クルマの世界も同じ人達がいるんである。
まあ、以前からトヨタは近々F1参戦記念のスーパースポーツを出すなんてウワサがあったから、なおさら大騒ぎになってしまったんだろうけど、それにしてもこの視野の狭さといったらとてもメディアの仕事とは思えない。それが証拠に、同じイタルデザインのブースに出展された次期アルファのコンセプトであるビスコンティのことなんてサッパリじゃないか。僕にはどう見てもこっちの方がまとまりも仕上げも上だと思えるだけれど・・・。
いや、僕だって日本人だから日本車は気になる。とにかく身近だし、性能の割に値段だって現実的だ。けれども「クルマ好き」を名乗るなら、あるいはクルマを扱うメディアなら、この21世紀になってなお、日本車チャチャチャはいかがなものかと思うけど。
(04/04/19 すぎもとたかよし)
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