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インサイトが示したのは、一口にハイブリッドと言っても、作り方には結構幅があるんだよということだと思う。比較的小さなエンジンを中心にすれば、180万円台も可能だと。
このスタイルをプリウスのコピーと見るかCR-Xの子孫と見るかはともかく、僕はインサイト、いいんじゃないかと思う。いや、ひょろ長いボディとか、後席頭上に厳しいパッケージングとかじゃなく、存在として。
それよりも、このインサイトでもって、何となく世の中がやっぱりこれからはハイブリッド、もしくはEVだよねー、という風潮になっているのがどうも気になるんである。ま、TVのニュースを疑わない視聴者はともかく、自動車雑誌までというのがどうもね。
分かりやすいところではクリーンディーゼル。ホンダは当面市場導入見合わせだし、トヨタはいすゞとの開発を凍結したみたいだし。欧州でも軽油高騰で販売比率が下がっているみたいだけど、新車へのバリエーションは減らしてないよね。メルセデスは引き続き日本導入に注力するらしいし。でも、もうディーゼルの負けって話でしょ、雑誌では。
ディーゼルは燃費のよさとそれに伴うCO2の少なさだけじゃなくて、高トルクのドライバビリティが魅力でしょう。ガソリン車との価格差がどうのこうのって記事が多いけど、そういうことじゃなくて。もちろん、ディーゼル・ハイブリッドの可能性もあるしね。
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あと、既存技術でのリッター30キロって可能性はどうなってるのかなと。たとえば、仮に軽自動車に900〜1000ccのエンジンを載せてそういう数字が出る可能性があるなら、規格がどうのこうの言ってる場合じゃないでしょ。もしホントに国やメーカーがエコだ環境だと本気でやってるなら。
EVは、北米ショーで新興会社が色々出して結構TVでも取り上げられたけど、僕はちょっと懐疑的かな。もちろん、走行距離やインフラ面での実用性もあるけれど、ゼロ・エミッションという次元の話になるのなら、やっぱり電力供給の話に突っ込まなくちゃと思うので。
だって、CMではデン子ちゃんが「電気を大切に」って言ってるけど、電気自動車が街中で走るためにはそういうわけに行かないでしょ。もう原発バンバン推進するのか、あるいは太陽光発電とかに真面目に予算出すとか、その辺ハッキリさせないとね。
しっかり現実的な価格で登場したインサイトは面白いと思うし、是非売れればいいと思うけど、だからもうこれからはハイブリッドとEVしかない! という流れはイヤだなあと僕は思う。
(09/02/11 すぎもとたかよし)
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