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■新車心象風景:日産・マーチ
■日産 マーチ■
 (2002年3月5日発売)

◆主要諸元
 排気量:1000〜1400t
 最大出力:90PS/5600rpm・12.3kgm/4000rpm(12C)
 外寸(o):全長×全幅×全高=3695×1660×1525
 東京地区標準価格:95.3〜132万円

 1週間で2万5千台もオーダーがあったくらいだから、僕がここで改めて言うことでもないのだろうけど、今度のマーチ、なかなかいんじゃないでしょうか。

エクステリアデザインは?
 とにかく「カワイイ」とか「キュート」なんて言われているスタイルだけど、単にカワイイだけなら、あのWill Viだってスズキ・ラパンだってそんな風に言われている。僕が今回いいと思うのは、そうやって一見「カワイイ」と言われるカタチの中に、しっかり「新しさ」が巧みに注ぎ込まれていることだ。
 たとえば、目玉に擬人化されているヘッドライトの形状や位置はこれまで見たことのないものだし、フロントからリアまで大きく段を付けたショルダーラインもコンパクトカーとしては異例だろう。そしてリアウインドウ、ランプ回りの複雑な曲面は、ユーザーであるこちらが「コスト的に大丈夫なのか?」と心配してしまうほど凝っているじゃないか。
 こうした新しい試みが色々と入っていながら、一台のクルマとして綺麗にまとまっているのが今回のミソだろう。イメージ的には先代を踏襲しているけれど、だから僕はあのBe-1似の先代とは比較にならないほど高度なデザインワークが施されていると思っている。

インテリアは?
 「インテリアにエクステリアほどのインパクトを期待すると拍子抜けする」というインプレッションが多いけれど、これはどうかなと思う。
 質感を横に置いておいても、徹底的に造形にこだわったヴィッツもコンパクトカーのやり方として面白いと思う一方、機能性をシンプルにまとめた上でポップな造形を取り入れ、これを独特の素材感やカラーリングでまとめるというのも十分「アリ」だと思うし、結果として成功しているとも思う。
 拍子抜けというのは、恐らく基本的レイアウトに新しさがないことを言っているのだろうけど、だったら逆に、このクラスでこれほど独自の質感と個性を持ったインテリアのクルマがどこにあるのか教えてもらいたい。

パッケージングは?
 一番驚くのが、先代より全長を削った上でホイールベースを延ばしていること。モデルチェンジ毎の大型化が常識のいま、このチャレンジはコンパクトカーの在り方として評価しなくてはいけない点だろう。思い起こせば先代も初代より短くなっての登場だった。
 で、実際の居住空間はそのホイールベースの拡大に伴って十分な広さを実現している。一見、お椀を伏せたようなカタチ優先のスタイルと思いきや、こうして機能性を上げているのが面白い。
 ちなみに、雑誌などではフィットの優位性がことさらクローズアップされているけれど、それはいかがなものかと思う。だって、フィットはマーチより13p以上も長く、ヴィッツとでは15pも全長が違うんである。単純な話、マーチ後席のニースペースがあと13p広がれば、誰もフィットの優位性なんか説かないでしょう。だから僕は、本来この2台は全く同じクラスだと思えないし、したがって両者の居住性の優劣を云々している雑誌記事などは全くもってナンセンスだと思っている。

 マーチはゴーン体勢になってから開発された第1号作品だそうだけど、デザイン重視を掲げた新生日産のコンパクトカーとして僕はかなりの魅力を感じている。とりわけ僕がこのクルマを評価するのは、ボディスタイル全体からペダルの色まで貫かれた「こだわり」が、マーチというクルマに摩訶不思議な存在感を与えていることだ。
 ヴィッツがヨーロピアンコンパクトとして直球勝負を挑み、フィットが日本的・古典的カッコよさとミニバン要素を引っさげて登場し、これ以外に一体どんなアプローチが残されているのか?なんていう心配をマーチはあっさりとクリアしてしまった。
 そして、それはヴィッツの安定性、フィットの機能性とはまるで次元の違う、ちょっと言葉では表せない「愛着感」のような独自の魅力なんである。べつにコンパクトカーに限らず、こういうアプローチはクルマを作る上で本当に大切なことなんだと僕は思う。
 ノイジーなエンジンとか、安っぽいトランク内張りとか、今後解決しなくてはいけないことはいくつかあるようだけど、この基本姿勢は崩すことなく続けて欲しい。

 ああ、そういえばひとつだけ疑問が残っていた。今回も10年程度のロングライフを掲げるマーチだけど、どうして日産の中でもマーチだけがそういうことになるのか?これは素直に納得できないところなんである。

(02/04/08 すぎもとたかよし)

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