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デビューのときにも書いたけれど、オーリスというベース車に厚化粧しただけで“大人らしくない大人”なんて、実にデタラメなクルマなんである。それが、3.5リッターエンジンを積んだら「マスター」だって言うんだから何ともはや。
仮想敵はゴルフのR32あたりだそうで、あちらより大きな排気量なのがまず最初の自慢だ。17インチタイヤや専用サスチューンもまたご自慢。
なんだけど、何たって最大の自慢は上級版で320万円という価格でしょう。だって、仮想敵比で100万円も安いときてる。エンジン大きいのに。
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じゃああれだ、トヨタが言う“大人しくない大人”って、そうやって100万円安く済ませたい人なワケなんだね。ちょいワルだけど財布は固いみたいな。そのかわり、サイドブレーキやシフトゲートあたりは“金属調”のメッキで我慢しますと。
何だかよく分からないけど、まあゴルフをライバルにしておきながら国内専用車っていうのがそもそも摩訶不思議だよね。お客さん、あんなバカ高いドイツ車買うくらいなら、同じスペックでこっちは100万安いですよ。こっちは壊れませんよ。なーんてことを国内、というかトヨタのお店内で済ましちゃえって感じかな。外に目を向けさせない作戦。
しかしなあ、考えてみたらあのレクサスLSだって、結局はライバルよりリーズナブルっていうのが武器なんだよねえ。トヨタブランドの“プレミアム”がやっぱり価格で勝負しているのも仕方ないってことかな。
いまのトレンドは、多少高くてもいいものなら売れるってことらしいけど、国産車にはこういのは絶対当てはまらないのかな?
(07/08/15 すぎもとたかよし)
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