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いま売りと前号の「ベストカー」に同じような記事が続いている。
この雑誌の巻頭はたいていスクープ記事なんだけど、そこで出て来るのがFRのコンパクトスポーツ待望論なんである。話としては、いまどきの若者のクルマ離れから脱却するにはFRのコンパクトスポーツを出すしかないという論調で、早い話が“ハチロク再び”なんである。
どうやらトヨタがハチロク後継を出すらしいなんていう予想から、トヨタ開発者に対して執拗に“今度出るコンパクトはFRなのか?”と問いただしたり、もうとり憑かれたかのようにFRの連呼状態。まあ、多分編集部内がそういうノリになっちゃってるってことなんだと思う。
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けれども、じゃあいまハチロクが復活したら若者が飛びつくのか、と考えるとかなり疑問だと僕は思う。いまどきFRじゃなきゃダメなんて言ってる若者なんて僕の周りにはいないし、そんなことメーカーのマーケティングにだって表れてないでしょう。
これって、この前のインプレッサと同じ話なんだと思う。やれSTIだのランエボだの騒いでいるのは雑誌編集部の化石みたいな旧人で、当のスバルはもっとベーシックなモデルに注目して欲しいと。FRコンパクトも同じで、欲しいのは若者達じゃなくて自分達ってことでしょう。そこのあたりがもうゴチャゴチャ。
廉価で手頃なスポーティカーがあってもいいと思うんだけど、それをあえて若者、しかも“走り屋”入っちゃってる若者を想定して開発する必要なんてまったくないと思う。価格、スタイル、性能がバランスしたクルマを作れば大人も買うし若者も買う。たとえそれがFFだろうがFRだろうが、ね。
(07/06/21 すぎもとたかよし)
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