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マークXとともに、日本独自のセダンはどうあるべきか、のトヨタ的回答なんだと思う。
面白いのは、日産のシルフィがモダンリビングをテーマに女性をターゲットにした“お洒落感覚”で路線変更したのに対し、プレミオ・アリオンはあくまでも団塊世代前後の男性、つまりこれまでと全く同じ層を狙ったことなんである。
それが如実に表れているのがインテリア。う〜ん、まだやるかコレと思わせる内装は、同じ木目調パネルを多用しながら、シルフィと真逆のコテコテ演歌路線。小洒落たことなんか言いません、やっぱり日本のオトーサンはこれでしょう? の直球勝負。
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さらにスゴイのは、それでもプレミオはチョットという気持ちの若いオトーサン用に、少しだけダークな色味を与えたアリオンを用意していること。ま、素材を変えただけなんだけど、この微妙な差で十分な効果を得られることをトヨタは知っているんである。
エクステリアも超無難なクラウン風プレミオに、ちょっと冒険のカローラ風アリオン。とくにアリオンはヘッドライトのエグれ具合がカローラと一緒で、デザイナーも同じかと思わせるくらいそっくり。ま、何でエグッたのか分からないのもまた同じなんだけど。
最近日本に目を向けたクルマが少ない、ケシカランという評論家が多いんだけど、それってこういうクルマがいいってことなのかなあ? 同じ5ナンバーサイズながら似て非なるシルフィとプレミオ・アリオン。市場はどっちを選ぶんだろう? あ、僕は少しでも新しいものを追求したシルフィに一票です。
(07/06/09 すぎもとたかよし)
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