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■自動車雑誌を斬る!「自動車雑誌の自殺」

雑誌のカタログ化
 新車が出る度に、まるでメーカーの広報課員かと思えるような「チョウチン記事」を書く編集者や評論家にウンザリした。何度か書いてきたけれど、これが僕が本を出版しようと思った直接的な理由なんである。それはつまりメーカーのプレスリリースの補足・拡大版であって、言い方を替えれば「雑誌のカタログ化」とうことだと思う。初めて本を出してからもう10年、雑誌のこうしたやり方はほとんど変わることがなくて、ついにその間3冊もの本を書くことになってしまった。
 別にこの10年を総括しようというワケじゃないけれど、今回「カタログ化」の見本のような雑誌が発売されてしまったので、これを取り上げてみてみようと思う。

イベント解説書?
 その雑誌とは「Xa CAR」の12月号で、いま売りのもの。で、この号がスゴイんである。メインの記事が11月7日まで行われている東京モーターショウ出展車の紹介で、これがほぼ冊子の半分以上に渡って掲載され、なおかつ独占記事としてホンダ・シビック/アコードタイプRの欧州版カタログをドーンと真ん中に綴じ込んであるのだ。つまり、この号はそのほぼ全編に渡ってカタログそのものなのである。「カタログ化」じゃなくて、カタログそのものなのだ。
 たしかに、この時期に売られる自動車雑誌のほとんどはモーターショウの出展車を写真入りで紹介している。その掲載の視点は様々あれど、しかし冊子の半分もそれに充てているというのはチョット見つからない。巻頭なり巻末なり、ごく一部分に掲載されるのが普通だ。
 どうしても出展車全てを掲載したい場合、最近では本誌に対する別冊として「モーターショウ特集号」という方法がとられる例が多く、これは決しておかしな企画ではないと思う。
 だいたい、いくらそれぞれのクルマにコメントを付けているからといって、メーカーの広報写真や撮影会での写真ばかりで冊子を埋めるなんて、それはもはや「編集」などという次元の仕事じゃないし、いわんやそれによって綴られた冊子は雑誌とは言えないだろう。編集の素人である僕が言うのも何だけど、それはもはや編集の放棄ともいえる行為じゃないか。


オキテ破り
 そしてトドメはメーカーカタログそのものの掲載だ。それも何と44ページの大々的掲載である。かてて加えて驚くのは、それを何の躊躇も疑問もなく、いや、逆に自慢してしまっているところで、表紙にはしっかり「独占初公開・圧巻の44ページ」なんてコトをうたっているのだ。これにはもう呆れるほかどうしようもない。
 カタログそのものを載せる、ということでは、最近新車発表時にやたら発刊される「○○のすべて」といった小冊子が有名だけど、これなら先の別冊特集号のようにまだ理解することはできる。けれども本誌の一部として40ページ以上を割いてしまっては話は全く違うだろう。ホンダの一連のRシリーズは、走り屋を中心とした一部の人達に圧倒的支持を得ているから、きっとこのカタログもそれなりに注目されるのかもしれない。けれども、だからといってそれは総合雑誌のやることでは決してない筈だろうに。

 いやいやそんな大げさな、という人も中にはいるかもしれないけれど、ハナから本来の編集を放棄したこのやりかたについて、僕はあえて「雑誌の自殺行為」だと言わせてもらいたい。だって、仮に元々が若者向けの浅底な雑誌であっても、その中には評論家だのジャーナリストと呼ばれる人達が大手を振って登場するわけで、文字通りジャーナリズムの一端を担った存在なんであって、それがこの有り様では自殺行為と言うほかないじゃないか。  

(01/11/07 すぎもとたかよし)

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