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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:新車不況?

 
 いま売りの「ベストカー」。いま、新車が売れないと言われているけれど、それはなぜなのか。その理由を、あまり新車を買わない評論家数人に聞いてみるという企画。

 いちばん多い理由は「欲しいクルマが売ってないから」なんだそうで、これには驚き。だって、評論家なんかやって色々情報発信できる立場なんだから、プロから見て「欲しいクルマ」をメーカーにドンドン提案すればいいじゃないかと思う。

 いや、個人的な趣味を、ということじゃない。国内だけでこんなに多くの車種が売られているのに、生粋のクルマ好きが欲しい商品がないっていうのはちょっと異常でしょう。つまり、いまの商品展開はどこか歪んでいるんじゃないのか、という提案ね。そういう自分の仕事を自覚していないで「欲しいものがない」なんて発言は×である。

 
 で、それにつながるんだけど、別の特集ではシビック・タイプR発売を記念した”走り力選手権”なる企画で、クルマの加速力、パワーやトルク力、コーナリング力、ハンドリング力、ブレーキ力などで優れたクルマをひたすら順位付けするというもの。

 あのさ、こういうコトやってるから自動車雑誌が売れなくなったり、あるいはクルマ自体が売れなくなるんじゃないの? つまり、どれだけ速いかとか、どれだけエンジンが回るかなんてクルマの評価基準としちゃあもはや化石なワケで、もう何年も前からよりソフト面が重視されているんでしょ。

 タイプRなんていう、サーキット重視のクルマが出たらもう浮き足立っちゃってこんな下らない企画を作っちゃう。フツーの人にはまったく関係のない次元のことばかり書いておいて、それで”どうしてクルマが売れないのか?”なんてよく言えるもんだよね。自分達メディアがユーザーからどんどん剥離しているのが大きな原因なんでしょ。

 評論家も無責任だけど、編集者も酷いなあと思う。

(07/05/16 すぎもとたかよし)

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