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コラム&レビュー

クルマのまわりで:事故報道

 
 広島県の山陽自動車道で、トラックがマイクロバスに追突し、21人が死傷する事故があった。大きな事故ということで、今日のTVニュースではトップ扱いである。何でも、事故現場は”魔の下り坂”と呼ばれる急勾配のカーブで、以前にも死亡事故があったそうだ。

 なんだけれど、実際のニュースではトラックの運転手が女性を同乗させていたとか、マイクロバスの乗客は社員旅行中で楽しみにしていたとか、亡くなった方の近所の評判とか、そんな内容ばかりだったんである。うーん、それってどうなのよ?


 
 いや、画面に”魔の下り坂”なんて表示するくらい危険な道路なんであれば、その構造を検証するのが報道の役目なんじゃないのか、という話だ。それも、単に記者が車に乗って「ここが現場です」なんて言ってるだけじゃなくて、もっと科学的にその区間がどう危険なのかを点検するということ。それで、実際に何らかの問題があるなら具体的な改善策を提言するべきじゃないかと。

 今回の事故は実に痛ましいけれど、そうであればなおのこと次の事故を防がなくちゃいけないでしょう。そうしたら、感傷的でお決まりのインタビューでもってこのニュースを終わらせちゃいけない筈だよね。

 実際、本当に最近のTVニュースの質は地に落ちたと思う。報道なのに妙な効果音やBGM流したりとか、もうワイドショーと同じでしょ。報道スタッフの質が想像以上に酷いんだろうな。べつにおかしいのは「あるある大辞典」だけじゃないんだよね。

(07/05/09 すぎもとたかよし)

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