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コラム&レビュー

新車心象風景:ホンダ・クロスロード

 
 三本和彦氏言うところの「ホンダのビックリ箱」的商品なんだと思う。でも、あんまりビックリしないよなあ。


 そもそも、ニッチの中のニッチで、発表後に瞬間的に売れただけのHR-Vの後継を作ること自体いかがなものかと思う。しかも、売れないと困るからドアは4枚、シートは3列、そして全高も上げたりしたからアレほどの個性もなくなっちゃったし。

 スクエアが自慢のボディは彫刻的と自画自賛するけれど、僕にはスクープ対策にメーカーが分厚いパネルをテープでボディに貼り付けているあの姿にしか見えない。そして例の2段顔や後付け感タップリのオーバーフェンダーがそれをより強調している。全長の短さを特徴としながら、3列シートのアレンジを妙に自慢するのも何だか矛盾してる。インテリアは一転してスポーティカーみたいなのも違和感たっぷりだし。


 
 アクティブライフがどうの、枠にはまらないジャンルがどうのこうの言うけど、それって新型ストリームの狙いとどこが違うんだろう。ストリームだってスポーティな操縦性がアクティブだし、まさにフュージョンな存在なわけでしょ。いや、クロスロードはもっとアウトドア的な、みたいな話だけど、オフロードに対応する4駆の基本性能もストリームと一緒でしょ。カタログじゃ最低地上高まで同じだって言うし。

 ホイールベースやトレッドは若干違うけれど、要はストリームの着せ替えっていうのが正体なんでしょう。その着替えにあれこれ理由を付けるから無理があると。スミマセン、ストリーム使ってもう一台売れそうなヤツ作っちゃいました、って言った方がよっぽどすっきりするよね。でもなあ、何て言うか、こういうお手軽商品はいい加減にしたらどうなんだろう。

 どこかの評論家が、比較的コンパクトなこのクロスロードを「日本を向いて作ったのが良心的」なんて書いていたけど、本当に国内専用に作ったのなら、ホンダは日本のユーザーを相当バカにしてるんじゃないかな。

(07/03/08 すぎもとたかよし)

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