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●「グリーン化税制、燃費基準値のWhy?」

 本年度も、低燃費車や低公害車に対し、自動車税や自動車取得税を減税する「グリーン化税制」が施行された。対象は、改正省エネ法に基づく「2010年新燃費基準」と、国土交通省の「低排出ガス認定」の双方を満たす車。

 各社が今月発表したニューモデルは、ホンダの「ステップワゴン」始め、トヨタの「プログレ」「ガイア」、日産「サニー」、スズキ「Kei」と、いずれも環境対策を商品改良の目玉に取り上げ、グリーン減税をセールスポイントとして訴求している。
 「グリーン化税制で、減税額が一番大きいガソリン車です」の「ブルーバード シルフィ」のテレビCMも流れ始めた。

 「くるまーと」も、新車データベースにいち早く両項目を追加した。その際「燃費基準値」に対し幾度となく感じたWhy?。
 下記のように、基準値は車両重量区分毎に定められており、重量が増えるほど緩和される。この区分はどうして決められた?、中途半端な数値は?、同一車種でグレードやオプションなど僅かな車重の違いで適・不適に分かれるのは不整合ではないか???

乗用自動車−ガソリン車
乗用自動車−ディーゼル車
車両重量
10-15モード
燃費
車両重量
10-15モード
燃費
 703kg未満  21.2 km/l
 703kg以上 828kg未満  18.8
-
 828kg以上1,016kg未満  17.9 1,016kg未満  18.9 km/l
1,016kg以上1,266kg未満  16.0 1,016kg以上1,266kg未満  16.2
1,266kg以上1,516kg未満  13.0 1,266kg以上1,516kg未満  13.2
1,516kg以上1,766kg未満  10.5 1,516kg以上1,766kg未満  11.9
1,766kg以上2,016kg未満   8.9 1,766kg以上2,016kg未満  10.8
2,016kg以上2,266kg未満   7.8 2,016kg以上2,266kg未満   9.8
2,266kg以上   6.4 2,266kg以上   8.7

 例えば、「シーマ」は、標準グレードは減税対象外(車両重量1740kg・燃費10.0km/l)だが、サンルーフやテレビなどを装備した上級グレード(同1770kg・同9.2km/l)は、燃費が劣るにもかかわらず対象。
 「プログレ」は、今回のマイナーチェンジでエンジンを直噴化するなど燃費は2500cc車が11.6km/l(前10.4)、3000cc車が11.4km/l(前10.0)と向上し対象となった。しかし、車両重量も同1520kg(前1460)、同1540kg(前1480)と増えており、同じ重量のままなら対象外。
 基準値をクリアするために、意図的に増やしたとは思わないが。

 Why?を解消すべく、国土交通省に問い合わせるとともに、ネット上で情報検索を試みた。要するに、昭和50年当時の「排出ガス規制」策定時の“等価慣性重量”に基づいた区分を今もそのまま使っているということのようだ。
 商品や技術がこれだけ進化したのに、20数年前の区分が何ら見直しされずに使われているとは!!
 お役所仕事の典型だ。業界にとっても、この区分はさぞかし都合がよかった(今もよい?)のだろう。

 「自動車燃費目標基準値等に関するとりまとめ
 「目標基準値設定の考え方

 消費者の環境意識が高まっているにもかかわらず、環境配慮型のエコ商品が伸び悩んでいる。価格が割高という面もあるだろうが、こうした不透明さやわかりにくさも大きな要因。
 燃料電池だハイブリッドだと騒ぐ前に、やるべき事があるのでは!!

(01/04/26 わたなべあさお)

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