●「車社会ニッポン〜どこかおかしい日本のクルマたち」
メールやWeb、ヴァーチャル空間を主戦場とするネットビジネスの世界は、24時間・365日不眠不休で動いている。リアルな世界と異なり日曜祭日など決まった休日は無い。
チャレンジ以来3年有余、この世界にどっぷりと浸かってしまった私にとっても然り。20数年間過ごした大企業(メーカー)時代の週休2日生活がいささか懐かしくもあるが…。
シェア至上主義の過当競争下で、販売最前線(ディーラー)もまた毎週の土日イベントを余儀なくされている。地区担当員時代に実感した格差や矛盾に、今自ら直面しているということであろう。
という生活の中で、ゴールデンウィークは正月休以来久しぶりに読書の時間を持った。近所の本屋で何を読もうかと物色していると、黄色い背表紙に書かれたサブタイトルの「どこかおかしい日本のクルマたち」の赤い文字が目にとまった。
『車社会ニッポン』すぎもと たかよし著 鳥影社発行 定価1500円
帯に「ホントに車が好きなんです。だから言いたい、メーカー・評論家へのこんな注文!ユーザーが本当に必要な情報とは?メーカー別・型式別比較と良い選び方のアドバイス」
「このままでは日本車はダメになる!売らんかな主義のメディアと評論家を討つ」とある。
これって「くるまーと」のコンセプトそのもの、このコラムでも常々指摘してきたことと同じじゃん!!
著者はクルマ好きのサラリーマン。50年にならんとする歴史にもかかわらず、未成熟なまま“地に足がついていない”自動車大国日本のメーカー、メディア、そしてユーザー自身にも向けられた疑問の数々。
日進月歩で進化し続ける“技術”と“品質”。GT-R、NSX、セルシオなど欧米を追い越したと確信すらしたものの、“文化”の香りがしない日本車。
目先の流行に乗った企画、他社のコピー、相変わらずイケイケドンドンの新型車投入による薄利多売商法。
ページの多くを新車カタログの補足説明に充当、クルマの本質に迫ろうなどとはチットも考えていない自動車雑誌。
ゼロヨンだの限界アタックだの“スペック至上主義派”と、ライバル車との装備比較や下取り情報など“お買い得情報派”が大半を占める評論家。
雑誌記事やTVコマーシャル、そして流行の波にいとも簡単に影響されて右往左往、なかば洗脳されて冷静な判断ができなくなっている多くのユーザー。
・軽自動車はどこへ
・コンパクトカーの時代
・セダンは復活するか
・RVブームの行方
・安全という商品
・環境にやさしいクルマ
・自動車大国日本の道路 等々
一気に読了した。お勧め!!
ホームページで注文もできる。「すぎもとたかよしの本とコラムのページ」
(01/05/16 わたなべあさお)
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