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●「21世紀のクルマと自動車産業は?」

 新世紀を目前に、トヨタ、フォードの提携交渉が報じられ、ディーゼル車に対する厳しい排ガス規制を盛り込んだ東京都の「環境確保条例」が成立した。  新年早々には、ダイムラー・クライスラーが、燃料電池車を年内に試験投入すると発表した。

 今年の年末年始は、恒例の風邪をひいて寝込むことはなく、さんまやナイナ イのバラエティ番組や、箱根駅伝などスポーツ番組を見ながら、久しぶりにクルマ関連の書籍を読んで過ごした。さんまの対談番組には、石原都知事がゲスト出演、黒煙入りペットボトルはなかったものの、ノーカー運動など持論を軽妙に展開した。

 「自動車 合従連衡の世界」(佐藤正明著、文春新書)
 「自動車百年の最終戦争」(上杉治郎著、双葉社)
 「ガソリン車が消える日」(舘内端著、宝島社新書)

 佐藤氏は、日経新聞の記者・編集委員として活躍、トヨタ・GM提携を克明にドキュメントした「巨人たちの握手」や、VTR規格を巡るVHSとベータの戦いを描いた「映像メディアの世紀」など、ノンフィクション作家としても著名である。 トヨタ・フォードの交渉も、日経ビジネス誌上でレポートしている。

 上杉氏は、メーカーの特販部長や関連ディーラーの社長を歴任後、「絶対に 後悔しないクルマ選び(河出夢新書)」「中古車売買でだまされない本(エール出版)」など執筆活動に勤しんでいる。

 舘内氏は、レーシングカーデザイナーとして活躍後、評論活動に転じ、クルマとクルマ社会を技術面だけでなく哲学的アプローチで考察し続ける傍ら、日 本EVクラブ代表として、自ら電気自動車を製作、普及に努めている。

 時には結び、時には敵対する―。戦後日本を荒廃から立ち直らせただけでな く、高度成長の牽引車だった自動車メーカーは自由化・国際化の荒波に対して合従連衡の道を模索してきた。
 日産のプリンス自動車合併に始まり、三菱自工とクライスラーの提携、フォードのマツダ支配、全世界を驚愕させたベンツとクライスラーの握手、そして仏ルノーの軍門に降った日産。二十世紀を最も変革したモータリゼーションの変転極まりない歴史から何を読み取るか。
  (「自動車 合従連衡の世界」より)

 自動車の歴史はまだ100年そこそこでしかない。しかし、20世紀機械文明の発展ぶりを見渡すと、先進国における人間の行動様式をこれほど大きく変えたものは他にないといってもよい。(略)
 業界人が進歩への欲求を忘れないかぎり、自動車がこのまま衰退への道を辿ることは考えにくい。それどころか、21世紀も引き続いて自動車の時代は続いていくであろう。それは自動車が第一ステージでの成熟期を終えたとはいっても、人や地球に優しい次世代自動車を造り出すことにより、再び成長する可能性を秘めているからだ。
  (「自動車百年の最終戦争」より)

 ハイブリッド車や燃料電池車等、これまでの自動車とは根本的に異なる自動車は、次世代車と呼ばれる。果たして燃料電池車がその主力になれるかどうか、それはまだ不明であるが、少なくとも現行の自動車に替わる新たな自動車の出現は、自動車と自動車社会が存続するうえで、絶対に必要である。
 それは、自動車が、地球温暖化、大気汚染、石油資源の減少という大きな問題を抱えているからである。これら3つの問題が、現行の自動車の存続を不可能にしているといってもよい。
  (ガソリン車が消える日」より)

 20世紀の主役は間違いなく自動車産業であった。人口・環境・エネルギー問 題という三重苦の中、IT革命は否応なく進む。クルマとクルマ社会、そして自動車産業は、どう変わって行こうとしているのだろうか?。
 上記3冊にそのヒントがある。ご一読を!。

(2001/1/4 わたなべあさお)

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