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●「ディーゼル車NO作戦」

 ディーゼル車の排ガス規制が世界的に強化され始めた。欧州では、負荷が最も高い大型貨物車の粒子状物質(PM)に対し、日本より厳しい水準の規制を目指している(下記参照)。燃料である軽油に含まれるイオウ分についても、現在の規制値(500ppm)を、2005年には10分の1の50ppmにまで引き下げることが決まっている。

     1998年 2003年 2005年 2007年頃
 日本  0.25   0.18        0.09程度
 欧州  0.15   0.10   0.02  (単位:g/kWh)

 我国でも、自動車業界は2007年実施予定の排ガス規制を2年前倒しして実施することを表明、次世代型排ガス浄化装置(DPF)や、コモンレール式新燃料噴射ポンプなどの技術開発に取り組む。石油業界も、軽油中のイオウ分を次世代DPFが利用可能な50ppmまで低減することを表明、CNG(圧縮天然ガス)やDME(ジメチルエーテル)など次世代クリーン燃料の開発競争も加速している。

 「ディーゼル車NO作戦」というタイトルのホームページがある。環境保護団体や、個人のページではない。「東京都環境局」の公式ページだ。国(環境庁)や関連業界以上に、大気汚染対策に本気で取り組もうという東京都の姿勢が、このネーミングによく現れている。
 昨年来、インターネット討論会など、ネット上でも都民や事業者の活発な意見や議論が交わされた。これをを踏まえた都の基本的な考え方や、下記の9施策が提言され、現在「ディーゼル車NO作戦ステップ2」として、実現に向けた諸活動が展開されている。

 1.大型貨物車やバス等へのディーゼル微粒子除去装置(DPF)の
  装着義務づけ
 2.ガソリン車等と同等の排出ガス基準を満たさないディーゼル車の
  使用制限、代替義務づけ
 3.より低公害な自動車の使用促進
 4.自動車に関する環境情報の公開と説明の義務づけ
 5.軽油優遇税制の是正
 6.軽油硫黄分規制の強化と新長期規制の前倒し実施
 7.東京の走行実態と乖離した排出ガス試験方法の是正
 8.車検制度の環境面での充実と黒煙規制の強化
 9.燃料電池車やモーダルシフトをも展望した長期戦略

 石原都知事のもと、外形標準課税でいかんなく発揮された地方政府のリーダーシップが、またもや国や産業界を動かそうとしている。

 トヨタは、今週、2005年に日欧で実施予定の排ガス規制値をクリアする、世界最高水準のディーゼルエンジン排ガス浄化システム「DPNR」の基本技術を確立したと発表した。電子制御による燃料噴射技術「コモンレール」とトヨタ独自の触媒システムなどを活用、粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)を現状より8割削減するという。

 言うまでもなく、ハイブリッドシステムや燃料電池車など、環境対応型次世代新エンジンの開発が、自動車産業の覇権争いの帰趨を決めるのは間違いないが、その前哨戦として、排ガス浄化対策をめぐる技術開発競争が俄かにクローズアップされてきた。

(00/07/15 わたなべあさお)

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