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もどかしいというか、残念な感じだなあと思う。
一旦途絶えていた国内でのシビックブランドが、この夏に復活する。ホンダからの正式な発表に、とりわけコンビニ系雑誌を中心に話題沸騰なんである。
けれども、評論家の国沢氏が「このシビックは売れない」発言をしたあたりから、雑誌記事も同様の曇り具合で、北米指向のボディに対し若干の疑問が挟まれたりする。
たしかに、公開された10代目はまず寸法的にデカく、写真で見ればドヨンとひょろ長いボディが実に酷いことになっている。いや、シビックとしてどうか?という以前の問題で、これがインテグラでもアコードでも同じことだ。
じゃあ、なんで話題沸騰なのかといえば、そこにタイプRがあるからだろう。評論家も読者も大好きなホンダのトップ・スポーツグレード。だから、ダメだと言いつつやっぱり黙ってられないと。それが何とも残念な感じだ。
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そうして、いよいよ試乗会ともなると「いいところ」を次々に挙げ始める。日頃から”持ち上げ系”の評論家の中には、「これはスマッシュヒットになるかも」などと言い始める始末で。
一方、「いいクルマができたので、国内でも売りたいと思った」というホンダのコメントがまた残念。シビックが肥大化し、実質フィットに取って代わってしまった状況は何ひとつ変わっていないのに、さらに大きくなって大味な新型を売ろうという神経がすごい。
「ヒットはしないでしょうが、それなりの数は売れるとは思います」というコメントは、どこか不振のF1スタッフによる「確実に進歩しています」的な空虚感に溢れているんである。ああ、ついにホンダも大企業病か?という。
メディアや評論家は、疑問があるならしっかり書く。売るべきでないと思うならちゃんと理由を添えて意志表示する。メーカーが頓珍漢なのも残念だけど、書き手側のグズグズ感が加速しているのはもっと空しい。
少なくとも今回のシビックに限って言えば、そんなことをやっても、読者も含めて誰ひとり得るものがないことに、どうして気がつかないのかと思う。
(17/06/27 すぎもとたかよし)
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