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コラム&レビュー

新車心象風景:トヨタ・プリウス

 
 どこかに底の浅さを感じるんだろうと思う。


 新しいプラットホームは走りの性能をすっかり引き上げたようで、評論家諸氏のレポートはほぼここに注がれている。もちろん、堰を切ったような「いままでは酷かった」の連発は相変わらず失笑ものだけど。

 ただ、プリウスを選ぶユーザーに対し「乗り心地」や「コーナリング」がどれほど請求力を持つかは疑問だ。今回はHVシステムとしてもマイナーチェンジだし、じゃあ一丁スタイルでそこそこ目を引いてやろうか、なんて。

 チーフデザイナー氏の話によれば、どうやら先代は北米市場などでボクシーと評価されていたそうで、つまりは退屈だと。だったらここはパッと派手に行こうと考えたんだろうけど、どうもその中身がいささか安易だったんじゃないかと。

 そもそも、先代を悪い意味で「ボクシー」と評価することからして間違っている。先代は四角いのではなく「端正」なんである。その中に柔らかさや勢いもちゃんと織り込んであった。

 新しいプラットホームを生かした低いボンネットはいいとしても、そこから始まるショルダーラインを微妙に曲げたのが最大の失敗だ。しかも、それで広がったボディ後半に手を入れたくなったのか、リアランプへ向けて引いたフェンダーラインは子供っぽい。


 
 これがボクシーへの反省ということなんだろうけど、まとめ方は違いつつも歴代が築いた端正なイメージの捨て方として実に安易だ。もちろん、途中からブラックアウトさせたリアピラーも実に安直。

 話題のフロントランプ周りの表現は、だから僕には大した問題に感じない。というか、空力ボディに合わせ半ば成り行き任せに引いたようなラインなど、いちいち評価する気にもなれない。

 躍動的に攻めたことで、デザイナー氏が「賛否両論」とか「好き嫌いがある」などとある種の自信をもって語るのは、したがって実に底の浅い発言にしか聞こえない。だってそれは言い訳でしょう?

 リッター40キロ越えの省燃費、膨大な買い換え需要に絶大なブランド。すでに6万件の受注を得たのにはそれなりの理由があるのだろう。それはトヨタがプリウスという商品に対し、ブレずに真摯な姿勢で取り組んできたことの証でもある。

 評判のよくなかった乗り心地や走りの性能への取り組み。この勢いが、デザイン面ではいささかスピードオーバーになってしまったみたいだ。

 そのあたりの軽さが、最近の「ワオ!」なトヨタ流ではあるけれど。

(15/12/14 すぎもとたかよし)


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