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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:論より気持ち?

 
 気持ちは分かるんだけど、ちょっとねえ、と。

 雑誌CGの最新刊は、同誌のウリのひとつである「ジャイアントテスト」。今回はポルシェ・マカン登場に合わせるべくコンパクトSUVをテーマに、アウディ・Q5、BMW・X4、ジープ・チェロキー、レクサス・NX、レンジローバー・イヴォーグ、トヨタ・ハリアーの7台を比較対象に選んだ。


 このテストは加速、燃費、操安、乗り心地、パッケージ、商品力、騒音(今回はオフロード性能も)と全方位な内容で、まさに老舗雑誌の面目躍如といったもの。客観的な徹底比較で説得力のある回答を導くと。

 で、今回は新しいポルシェがブッチ切りという期待を感じさせる中、予想を裏切る結果はレクサスNXの1位だったんである。そのマカンは惜しくも2位に甘んじ、以下Q5、ハリアー、X4、チェロキー、イヴォークと続いた。

 まあ、トップのNXはもとより、X4やイヴォークを抑えたハリアーもまた相当にテスターの期待を外したんだろう。まとめの「総合評価」が実におもしろくて、NXは1位の項目は少ないけど要は平均点の高さだと。ハリアーについてはいきなり日本の学校教育を持ち出し、秀でた才能よりも、すべてがそこそこな子供が評価されるのと似ていると結論した。

 さらに、ここでの高評価が必ずしも「欲しい」クルマとは限らないとして、5名のテスターによるパーソナルチョイスが出されているんだけど、4位のハリアーはもちろん、何と1位のNXを選んだテスターはひとりもいなかったんである。

 何だこれは?と思うじゃないか。


 
 編集長は総合評価で、いまのテスト内容は平均点の高いトヨタやレクサスが選ばれる傾向だと語る。また、新たに加えた項目の「商品力」もまた2社を有利にしていると。あたかも、それがいけないというように。

 だとしたら、そもそも客観テストって何だという話なんである。好き嫌いを除いたフェアな比較こそがその神髄なのに、やってる本人たちが「日本車に有利になる」などと、ほとんど好き嫌いの極みのようなコメントを発しているのは、まさに本末転送じゃないか。

 仮に、つまらないお勉強小僧が高得点をとることに疑問があるのなら、早々に客観テストの評価軸を見直すべきだろう。

 たとえば新しい「商品力」。単に価格と装備内容を比較するのなら「安くて便利」な日本車が有利になるのは、もうずっと以前からわかっている話だ。けれども、モノとして「これはいい」と思うのが商品力なら、何も装備自体だけが比較対象じゃない。その「いい」の焦点を、どこに合わせ込むのかがプロの目利きってもんでしょう。

 クルマ版の「暮らしの手帖」を標榜したCGとすれば、客観テストは欠かせない要素なんだと思う。ただ、クルマやその周辺は日々進化・変化するものだし、それに沿って客観の意味や内容も変わるのは当然のことだ。そこを見なくちゃいまの時代の説得力なんて得られやしない。

 そういう提案が新しい冊子でなく、老舗雑誌から提示されてもおかしいことはない。少なくとも、自ら決めた筈の基準に不満を呈し、自己否定な回答を平気で吐き出してしまうようりはよっぽどいい。

 いや、もちろん、ポルシェやレンジこそがクルマ好きの愛でるべき対象であって、日本車は違うんだよね、という価値観こそが旧いだろうというツッコミはあるとして。

(15/02/10 すぎもとたかよし)

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