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コラム&レビュー

新車心象風景:トヨタ・86

 
 まさか、ホントにここまでやるとは思わなかったんである。


 すでに大きく露出していたクルマ自体はともかく、7つの販売展開企画がスゴイことになっている。

 「エリア86」なんて昔のマンガ(イニシャルD)みたいな名前の子供じみた店舗、恐ろしいほどセンスの悪い「86コラボレーショングッズ」、おすすめの峠道を探すというイニシャルDの「86峠セレクション」、自分のコーナリングを記録するという意味不明な「86シューティングカーブ」、その他SNSやゲームとリンクするという安易な手法等々。

 こんなことをレーシングスーツを着た社長が発表会で紹介するなんて、恥ずかしいを通り越してもはや怖い。

 そもそも、カスタマイズなんてものは、車種を問わずユーザーが好き勝手にやるものであって、メーカーがそれ専用の商品を用意するもんじゃない。

 しかも、そのカスタマイズが、たとえばエンジンやミッションの仕様などのハード面、あるいはシートなどインテリアパーツや内外装のカラーなど、およそメーカーでしかあり得ない「フルチョイスシステム」の構築なんてことならまだ理解できる。

 ところが、その発想がAE86でDのユーザーが施した豆腐屋仕様の次元というのは一体どういうことなんだろう?

 エリア86は「スポーツカー好きな大人のたまり場」だそうだから、例の若者のクルマ離れくい止め云々という話じゃないみたいだけど、しかしそれはどこのどんな大人なのか? 仮にドリキン命みたいな40、50代がそこそこ集まったとして、それが何だというのか?


 
 ここまで来ると、もう僕の興味はべつのところに移ってしまう。

 まず、スバルはBRZの販売展開に関して独自性を打ち出すのか否か。つまり、中途半端にトヨタと似たようなことを行うのか、あるいはクルマの性格すら別に思えるような企画を打ち出すのか? 黒木メイサがイメージだそうなので、すでに若干の不安はあるけれど。

 それともうひとつ、今後販売される雑誌メディアで、このバカげた販売企画がどんな風に紹介されるか、だ。

 「トヨタが変わった!」なんて全面肯定記事で溢れるのか、それとも「トンチンカン、ここに極まる」という一歩引いた視点での記事も少なくないのか? そのメディアの品位も含め、ちょっと見ものかもしれない。

 あ、クルマ自体の話をしていなかったけれど、もしいま実質2名乗りハッチを出すんだったら、2000GTのモチーフを中途半端に盛り込んだ2リッタースポーツじゃなくて、どちらかと言えばトヨタ800を手本にすればよかったんじゃないかと僕は思う。

 4メートルを切る美しいコンパクトボディに、VWやフォードあたりが始めようという1リッター前後のターボエンジン、あるいはアクアのHVシステムなんかを積めば、実用性能と高燃費を備えた新時代のスポーティカーにもなり得る気がして。

 その魅力的なコンパクトハッチがアクアと同じく160万円あたりなら、国内はもちろん、欧州でも、ルノーのウインドあたりと張り合って面白いことになったんじゃないかな?

 え、水平対向エンジン? どーしてもクーペが必要ならインプレッサベースでできる範囲でいいと思うし、それよりもボクサーHVなど独自の燃費向上技術を急いで、そのうえでオリジナルのクーペなりコンパクトカーを作る方がいいんじゃないの?

(12/02/07 すぎもとたかよし)

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