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コラム&レビュー

新車心象風景:トヨタ・アクア

 
 あけましておめでとうございます。

 相変わらず弱小ライターですが、今年もよろしくお願いいたします。

 ということで、今年のはじめは話題のアクアから。


 小さなプリウスとしてストレートにまとめられたアクアは、自らトヨタのクルマ作りを映し出しているのが面白いところなんである。

 先代プリウスEXベースのHVシステムが、バッテリーの小型化や効率化を図りつつも「思ったほど」燃費数値が伸びなかったのは、本家プリウスとの価格差や、コンパクトなボディを考えれば妥当だろうし、実燃費での違いを期待する声もある。

 スタイルも、外国市場ではプリウスを名乗るだけあって、まあどこから見てもその縮小版だし、特段退屈さも破綻もない。コンパクトカーらしく、オレンジやイエローといった明るいボディカラーが用意されているのも加点部分だ。

 さらに、インテリアはやっぱりミニ・プリウスとしての統一感が持たされ、素材自体はともかく、作り込みに決定的な手抜きは見られない。

 そんなこんなをひっくるめ、燃費に特化したコンパクトHVとして、アクアはその目的が明快だし、そこにボヤけたところはほとんど見あたらないんである。

 けれども、そうやって考えると、じゃあほかのトヨタのコンパクトカーってどうなんだろう? というのが今回の話の肝だ。そう、ヴィッツ、ラクティスはもちろん、パッソ、そしてイストやbBとか。


 
 どの車種もニューフェイスじゃないので幾度かのモデルチェンジを経ているわけだけど、じゃあ、それぞれアクアのような明快で独自性のあるコンセプトを持っているか、そしてそのコンセプトを実現させるために可能な限りの努力が行われているのか、となるとかなり疑問なんである。

 たとえば、初代ヴィッツの登場は、もしかしたらその後のトヨタをまったく変えるんじゃないかと思えるほどのものだった。それはアクアの明快さと変わらない次元だと僕は思うけれど、残念ながら妙に安普請の現行ヴィッツにはその価値はほとんど見いだせない。

 アクアが全車160万円を超えるのはHVシステムを持つからだけど、じゃあ現行ヴィッツが110万円から示している独自の価値って一体何なのか?

 これはいまだ同クラスにいくつものクルマを作り続けるトヨタならではの疑問でもある。日産もマーチとキューブ以外にノートというのは結構微妙だけど、まあそんなもんだ。

 いまや各メーカーは、かつてのバカバカしい兄弟・姉妹車構成から、比較的目的の明確な車種への整理が進んでいる。悲しいかな、いまその異常な状況は軽の世界がしっかり引き継いでいるんだけれど。

 ところが、そうは言ってもそのヴィッツやパッソなどは登録台数ベスト10の常連だ。人気俳優や芸人の面白おかしいCMとお手頃価格、そして圧倒的な販売力がユーザーの財布の紐を緩くする。一方、アクアは明快なアピールで数十万円のエクストラを納得させ、すでに4,5ヶ月待ちのオーダーが入っているそうだ。

 きっと、1,2月以降の登録台数ランキングはヴィッツやパッソの上にアクアが登場するんだろうと思う。もちろん、アクアがヴィッツなどを相当数「喰う」のは間違いないだろうけど、それにしたってここはトヨタマーケティングの圧勝ってところだ。

 けれども、その全方位戦略が日本のクルマ業界にとって、あるいはトヨタのクルマ作りにとっていい方向なのか否かは、だからまったく別の話なんである。

(12/01/05 すぎもとたかよし)

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