|
RJCがひと足先に日産リーフを指名し、COTYも10ベストカーを発表している。
いずれの賞も、いまや販売上はほとんど効果がないのは周知の事実とはいえ、RJCのベスト6を含め、ご丁寧に各メーカーから1車種なんてことをまだやってんのか、と驚くんである。
まあ、国内市場が右肩上がりで、作れば何でも売れるような幸せな状況(時代)、つまりなーんにも考えなくていい時期であればまだ仕方ないとしても、そうじゃないことは誰もが感じているわけだし。
それどころか、かつては接待攻勢に手間暇をかけていた(らしい)メーカー自身が、震災や洪水に加え、超円高に悲鳴を上げて自動車税の撤廃を求めるような異常な事態が起きているのに、この、ほとんど思考停止な感じは一体何なのだろう?
RJCやCOTYがジャーナリスト・評論家や各種メディアによる意見集約と公表の場なのであれば、いろいろな意味で日本の転換期になるであろう平成23年は、自らの団体がいま何をするべきなのかを考える時じゃないのかな?
それは、震災復興にあたってのクルマのあり方や街の作り方といった直接的な提言でもいいし、自工会やJAF同様に税体系への切り込みだって構わない。
|
|
もちろん、日本のモーターショーが海外メーカーから見放されて行くような特殊な国内市場を、TPPと絡めて考えたっていい。
当たり前だけど、彼らには、たとえば雑誌や放送といった大きな発信媒体が確保されているんである。そりゃあ、メーカーやユーザー団体だって記者会見みたいなことはできるわけだけど、それよりもずっとユーザーに近い媒体で多くの機会がある。
まあ、逆に言えば、そもそも日常的にそういう立場にいながら、その貴重な機会をいかに軽く使っているかって話で、個人はもちろん、たとえばCOTYという団体としての存在意義をほとんど放棄しているんである。
カー・オブ・ザ・イヤーはその年の注目車を選ぶイベントで、言ってみれば「お祭り」だけど、それがホントにお祭りで済んでいたのは平時だからだ。有事とも言えるこの年、1台のクルマを選ぶのはいいとしても、それだけじゃあどうなんだろう。
いや、たとえばリーフという電気自動車を大賞に決めるとき、エネルギーのあり方まで提言するのが、世界最悪の事故を起こしてしまった国のジャーナリスト団体としては、ごく当たり前の発想だと思うんだけど。
(11/11/17 すぎもとたかよし)
「日本の自動車評論を斬る! すぎもとたかよしのブログ」へ
|