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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:ライターにとって「企画」とは…

 
 80年代旧車が好きで、一方、デザインにも興味がある。

 じゃあ、80年代名車のデザイナーさんに開発の詳細を聞いたら、しかもいくつかのメーカーのクルマで聞けたら、さぞかし面白いだろうなあ。

 そう思って80年代旧車専門誌に企画を持ち込んだのは、もう2年くらい前になるのかな? 当時は前編集長時代で、もともとは自分ともうひとり、ある有名デザイン評論家を起用しての企画で、「当時のデザイナーとのアポイントを、僕自身が行うこと」を条件に、感触よくOKが出た。

 僕はそれまで、東京モーターショーなどで何人かのデザイナーさんと名刺交換をしていたので、そういった方をとおして当時のデザイナー氏との接触可否を確認。当面3社で可能との返答をもらい、あとは各社とも広報をとおして正式依頼をするだけとなった。

 その後、急遽編集長が交代となり、その雑誌が主催している旧車イベント会場で前編集長から新編集長を紹介してもらい、顔合わせ。じゃあ、次号でという話に。

 ところが、準備期間になっても一向にGOサインがなく、こちらから連絡をとると、いきなり「その有名デザイン評論家を起用するのはチョット難しい」とのこと。

 けれども、僕としてはメーカーのデザイナーさんに段取りまでしてもらっているし、その信用問題もあるので、どうしても評論家氏の起用が難しいなら、自分単独の企画に変更するので、そのまま進行したいと譲歩。


 
 が、そこからまた連絡がなくなり、再度問い合わせると「その企画は編集部で難しいとの判断になった」との回答が・・・。「えー、いまさら」と思ったけれど、それ以上話は進まない。

 ところがなんである。先日発売されたその雑誌を見たら、何と「まんま」の企画が掲載されていたからビックリ。取材は外部ライターじゃなく、どうやら編集部みたいだ。

 フリーのライターにとって、持ち込み企画がボツになるなんてことは実は珍しくもなんともない。今回は準備までさせておいてのボツだから、僕の良識としては「あり得ない」けれど、こういう世界じゃ普通なのかもしれない。

 けれども、こうやって「まんま」記事にされてしまうと、やっぱり考えるのは、フリーライターにとって「企画」って何だろうな、と。いや、いま継続して書いているマガジンXだって、毎回「企画」を出して記事になっているわけで、同じキカクなんだけどね。

 ちなみに、礼儀?として編集部には「これは一体どういうこと?」というメールをしたけれど、経緯も何も、返事すら来ない。

 あ、そうそうもうひとつ。このデザイン企画のさらに前に持ち込んだ「リフレッシュカー」という別の企画。その前編集長がいま、自身の記事で「まんま」使っていたりするんだよねー。

 うーん、フリーにとっての企画って、どうやら複雑なものなんだろうなあ。

(11/06/07 すぎもとたかよし)

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