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コラム&レビュー

クルマのまわりで:モーターショー目白押し(その2)

 
 残念な流れではあるけど、インプレッサもまた海外ショーでの発表となった。

 それこそまだ日本仕様が発表になったワケじゃないから詳細は後日にするとして、しかしここで想うのは、コンセプトカーの「味」を市販版でどこまで再現できるか、なんである。

 もともとスバルはコンセプトカーと市販車は「別モノ」という傾向があるけれど、それだけコンセプトカーにはかなり刺激的で面白い提案が多いとも言える。

 最近では「これをレガシィにすればよかったのに」の、ハイブリッドツアラー・コンセプトがそうだけど、例によって「これはとくにレガシィを意識したものじゃありません」とお決まりのコメントだったし。

 それでも昨年末来のインプレッサ・コンセプトは、珍しく具体的な車名を使いつつ、そのハイブリットツアラー・コンセプトの勢いを、そこそこ引き継いだ装いで出て来たんである。 じゃあ、あとは巧いこと市販版に落とし込むだけだと思ったら、あれ、こんなんだったっけ・・・と。


 
 「あれ?」の理由は、シャープさの劣化だ。現行レガシィにぴったり沿うフロント回りと前後ホイールアーチ、そのフロントを反復する新提案のリア。こういう各要素はそのままなんだけど、それらをまとめて全体を引き締めていた、ボディサイドのショルダーラインがキレを失ってしまった。

 だから、たしかにコンセプトカーにそっくりなんだけど、同時にどこにでもあるような凡庸さを感じてしまう。もともと強めのショルダーラインと、同じような円弧のルーフラインを持っている現行と代わり映えしないじゃないか、となるくらい。

 従来は「コンセプトカーは派手に、市販車は想定内に」というお約束があって、それ相応のパワーダウンは仕方ない感じだった。けれども、たとえば日産のジュークやボルボのS60など、最近は市販車こそチャレンジングに、が珍しくなくなりつつある。

 つまり、いまは意外とそういう挑戦を受け入れる土壌ができているわけで、だから、せっかく面白いコンセプトカーを出したのなら、もう少し攻めの姿勢でまとめて欲しかったなと僕は思うんである。

(11/04/25 すぎもとたかよし)

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