|
何だかんだ言って、最終的には国内生産に落ち着くんじゃないかと思っていた次期マーチは、どうやら本当にタイ(他にも数カ国予定とか)製になるみたい。
フィット・アリアとは違う量販車を“あちら製”にして、ユーザーの反応はどうなんだというのが話題のひとつ。
僕みたいに外国車も次期候補で、そんな中で日本車を買うんだったら信頼性がポイントだよな、なんて勝手なことを言うんじゃなく、初めから国産のエントリーカーを買おうと思っているユーザーはこの話どうなんだろうか。そりゃ、いまや家電も衣料も外国製が普通だけど、何たってクルマは価格帯がまったく違うし。
それから、次期マーチは新興国での廉価展開を見込んだグローバルカーであることがもうひとつの話題。そうなら、マーチはキューブやノートよりひとつ下のクラスになる可能性があるわけで、イメージとしてはヴィッツに対するパッソみたいな感じ? いや、もっと割り切ってるのか。
|
|
で、日本でもデフレよろしく安さ爆発で、もう質感なんかあっち置いとく感じなら問題はないかと。いやー、やっぱりそうも行かんだろうということなら、ポイントは“仕分け”がちゃんとできるか否かなんだと思う。
たとえば、内外装の基本的造形は共通でも、素材の選択やその使い方なんかの作り込み。たとえば内張り生地とかインパネ素材とか。それと、シートやステアリングなどパーツの使い分け等々。
それから、きめ細かい商品展開もね。現行マーチがモデル末期でも一定数売れているのは、たとえばカラー・アワードを受賞するような新色ボディの追加や、クラスを考えれば贅沢な数種類のインテリアなど、日産ならではのセンスのよさを生かした細かな展開が随分と貢献しているんじゃないかと。もともと、現行もゴーン体制直後の「意あって金足らず」な時期の開発で、基本的にはかなり安普請だったし。だから、そういうオーダーが継続できるのか?
タイ製の量販車が売れるか否か。それは生産国のイメージや、軽バンも真っ青な圧倒的な低価格だけじゃなく、きめ細かい商品企画にもその要素が潜んでいるんだと思う。そういう意味で、たとえば流行の小排気量エンジン+過給器なんてウワサのグレードがどんな売り方になるのか、僕は結構楽しみにしている。
(10/02/13 すぎもとたかよし)
「日本の自動車評論を斬る! すぎもとたかよしのブログ」へ
|