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コラム&レビュー

新車心象風景:スズキ・キザシ

 
 キザシがいいと思うのは、きっと肩の力の抜け加減なのかな、と思う。


 全長4600mm超、2.4Lのアッパーミドルセダン。このところ欧州市場をメインとした小型車でこそ成功はしていたけれど、何たってこのクラスは初チャレンジだ。もう、ガンガン肩に力が入っちゃうのが普通なんだろうけど、よくもまあこれだけ抜力できたもんだと。

 明快にウエッジし、余計なキャラクターラインを廃したキャビン重視のボディは、こっちが心配になるくらいシンプルだ。これ、ザックリ言っちゃえばSX4セダンの拡大版で、完璧に欧州あるいは北米志向なパッケージかと。

 モーターショーではデザイナー氏がやたらに「塊り感」を強調していたけれど、スイフトやSX4と共通のフロントフェイスから腰高のリヤエンドまで、たしかに彫刻的かつ引き締まった一体感もある。

 いや、要はよくマークXにならなかったなと。やっぱり「今回は高級車だ!」と思えば、勢いあっち側を向いちゃうのが人情ってもんでしょう。だって、いまでこそアテンザのマツダですら、一時のルーチェなんか完全にメルセデスベンツのコピーだったものね。


 
 そういう意味で思い出すのは日産の2代目マキシマかな。初めて専用ボディになったやつ。初代がブルーバードの鼻先を伸ばしたキンキラ路線だったのが、一転極めてプレーンでシンプルな合理的パッケージング・セダンになったでしょ。

 僕はそのマキシマが大いに気に入っていたんだけど、キザシに賛同するのも同じことだと思う。見かけ同様、基本姿勢が骨太なのが気持ちいい。

 雑誌の扱いが地味なのがその証か、たぶんこういうクルマは日本じゃ売れないと思う。だから受注生産なのは正解だ。けれども、本当はこういうクルマこそメディアでしっかり扱ってほしいと僕は思う。仮にハード面でそのマークXに遠く及ばなくても、もっと別の“志”の部分にスポットを当てて欲しいなあと。

 欲を言えば、キンキラ路線にならない方向で、もう少し“見せ場”を意識した方がいいかなとは思う。たとえばフロントグリルやインパネまでスイフトと同レベルな感じはマズイもの。グリル周りにはもう少し緻密さを与えるとか、インパネはウッドやメッキはなくてもいいから造形自体に新しい提案を持ち込むとか。最近のシトロエンみたいにね。

 もちろん、小排気量ターボやデュアルクラッチミッション、高品質なインテリアなど、VWからの“お土産”があればいいんだけど、それはもう少し先の話なんでしょうね。

(10/01/05 すぎもとたかよし)

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