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■新車心象風景:ダイハツ・コペン
■ダイハツ コペン■
 (2002年6月19日発売)

◆主要諸元
 排気量:660t
 最大出力:64PS/6000rpm・11.2kgm/3200rpm
 外寸(o):全長×全幅×全高=3395×1475×1245
 東京地区標準価格:149.8万円

 モーターショウのK-openがCopenと名前を変えても、このクルマの評価には変わりがないようで、あちらこちらの新車紹介ではほぼ絶賛に近いことになっている。ま、中でも最大の賛辞は「メルセデスのSLと並んでも見劣りしない」という類で、数人の評論家が同じようなことを書いているようだ。
 僕もそのあたりの気持ちはよく分かっているつもりだけれど、ただ、少なくとも絶賛というワケにはいかないんである。
 
軽の限界
 それは良くも悪くも「軽」だということに尽きると思う。
 良い面というのは冒頭のとおり、軽というミニマムな枠の中でSLと比較でき得るクラスレス感を得たことだろう。サイズや価格では比較にならない2台が、存在感としては同じ土俵に上がることができるのは何とも痛快じゃないか。
 悪い点というのは言わずと知れた動力性能である。
 以前、日産の軽参入に当たっても書いたけど、いまの軽の660tという排気量には無理があると僕は思っている。たしかに制限速度は法定いっぱいの100q/hに引き上げられたし、実際その速度で走ることに無理はないけれど、逆に言えば余裕もまたなくて、100q/h巡航時の騒音と振動はそれなりの我慢を乗員に要求する。回転数が高いから当然燃費は芳しくなく、いまやひとつ上級のコンパクトカーがリッター20qを実現しているのに、これらの小さなクルマがそれに及ばない。じゃあ、動力性能を上げようということでターボを付ければ、それと引き替えに燃費はさらに悪化するという悪循環が待っている。
 コペンの醍醐味の多くはその小さなサイズだから、寸法的に軽枠は問題じゃないと思う。だから、オープンルーフを目玉とした「見た目」はクラスレスを実現しているけれど、こと話が動力性能、燃費となれば全く逆で、まさにクラス感に満ちているではないか。
枠の考え方
 いや、勘違いして欲しくないのは、僕は660tを全面否定するつもりはない。たとえば、生産中止になったいまでも根強い人気を保つホンダのビートがいい例で、このクルマはスポーティさをウリにしながら、あえて絶対性能を上げることなくNAを選択してみせた。それは、持てる力を振り絞って走るというコンセプトがあったからで、言ってみれば排気量の制限を逆手に取ったやり方なんである。そういう考え方は当然「アリ」で、この場合660tはデメリットにならない。
 けれども、コペンはビートと全く違うだろう。もともとルーフの開閉機構という重いパーツを背負っていることもあるけれど、その存在としては余裕のある動力性能で粛々と走るのが本来の姿ではないのか?
 たしか開発責任者が「このクルマは80q/hで流すのが気持ちよい」と語っていたけれど、制限速度より20q/h低いその数字は、僕には単なる軽枠絡みの妥協にしか聞こえない。本当は130q/hで巡航できるけど、あえて100q/hで流すようなクルマではないのか?そういう心理的な余裕がこの手のクルマには必要なんじゃないか?
 だから僕はこのクルマには1000t前後の余裕あるエンジンを与えるべきだと持っている。そうして初めてSLと真っ向比較できるクルマになるのだろうと思っている。それが軽規格の撤廃という機会からでもいいし、あるいは自ら軽規格を飛び出るということでもいいと思う。

 いずれにしてもこのお洒落なオープンカーに660tは似合わない。ルーフの開閉が見事だったり、インテリアの質感がよかったり、または塗装が高級車並の多層処理だったり、そうして作りが良ければよいほど動力性能の「寸足らず感」が目立ってしまう。
 せっかくこんなに面白い、世界的にも希有なクルマを作ったのに、それが下らない軽規格に縛られていることは何とも悲しくてバカバカしい。僕の感想はそういうことなんである。

(02/08/01 すぎもとたかよし)

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