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■自動車雑誌を斬る!「ハチロクの再来?」

ハチロク再び
 21世紀、年が明けてから書店に並んだいくつかの自動車雑誌には、こういう内容のコピーが散見された。
 「レビン・トレノが帰ってくる!」
 そう、既にご存知の方も多いと思うけれど、これは昨年末のロサンゼルスショーでお披露目となったトヨタの「WiLLコンセプト(スポーツ)」についての話だ。実際、いま僕の手元には「ベストカー」の最新刊があるのだけど、特集記事の見出しはズバリ「あのレビンがWiLLスポーツでよみがえる!!」なんである。
 ここではレビンなんて書いてあるけれど、要するに例の走り屋御用達車であるハチロクのことを言ってるワケで、「コンセプトカーの前に歴代のカタログを置く」というイメージ写真では、最も手前に目立つように置かれているのがそのハチロクなのだ。
 なんて言うのかなあ、こういう無理矢理かつ自分勝手な解釈で大騒ぎする企画、こういうのってメディアはいつまでやるつもりなんだろう?

似てないよ
 だいたいこれらの雑誌は、「ハチロクの復活だ」などと騒ぎまくって、見事に勘違いを演じ、苦い経験をついこの前に味わったばかりじゃないか。そうそう、あのアルテッツァがそうだったでしょう。
 FRのスポーツセダンということで、一部では和製BMWを期待していたけれど、なぜだか一方では「ハチロクの復活」として待望論真っ盛りとなってしまった。アルテッツァとハチロクでは「トヨタ」が作る「FR車」という共通点しかないのだけど、もうそんなコトはお構いなしで、スポーツムード漂うFRならハチロクなんだというもの凄いモノ言い。そう、かたやパッケージング重視のミディアム4ドアセダン、かたや軽量コンパクトな2ドアクーペという、どう見たって違うカテゴリーのクルマであるという事実は、「トヨタのFRだ!」「ハチロクだ!」という、もはや常軌を逸した興奮状態の思考によって、どこかに追いやられてしまったのである。

 そうしていざ正式デビューとなってみれば、やれハンドリングのフィールが違うだの、リアの動きが穏やかすぎるだの、「ボクらのハチロクとは違う」というごく当たり前の事実に落胆と不快を示して、急速にその熱は冷めていったのである。

懲りない人達
 で、今回のWiLLコンセプト。
 このクルマも、ハッチバックでありながら、居住性をある程度意識した5ドアであって、やっぱりレビンのようなクーペとは全く違う。しかも、WiLLという商品自体が異業種同一ブランドという極めて実験的かつ斬新な試みであって、ここで開発されるいわば「最新モード」を身にまとったクルマと、超古典的FR車を比較すること自体がもはや滑稽じゃないか。

 ハチロクというクルマが、たとえば有名なコミックなどの媒体によって、一部のユーザーに「神格化」された存在になっていること自体はボクも知っている。けれども、一般的なユーザーよりも少なからずクルマに対しての知識を豊富に持った雑誌メディアが、こんなクーダラナイ記事を書いていてどうする。
 実際僕は聞いてみたいのだ。こんなデタラメな誌面を企画するのは一体どこのどんな人間なのか?

(すぎもとたかよし)

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