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■自動車雑誌を斬る!「待っているのは誰?」

華やかなショウ
 昨年末からこの春先にかけて、ロサンゼルス、デトロイト、ジュネーブと、海外でのモーターショウがたて続けに開催された。クルマのネガティブな面が色々と指摘される中、それでもこれらのショウはクルマの可能性を積極的に追求した明るい催しに見えたものだった。
 で、数多く出展された魅力あるショウカーの中でも、多くの雑誌が大々的に取り上げたのは、ほとんど同じクルマだった。そう、日産のZ、マツダのRX-8、そしてレクサスSC430(ソアラ)、ホンダシビック・タイプRといった面々である。
 うーん、さて、これってどうなんだろう?

待ちきれない!
 まあ、注目度ナンバーワンということじゃあ、日産のZがダントツだったろう。このコンセプトカーについては、事前に「部分写真」が公開されていたこともあり、「ベストカー」などでは、これを元にした大胆予想CGなんていうものが作られたくらいだ。
 だから、実際に現物が目の前に現れた日にゃあ、もう正気など保ってはいられないんである。カッコイイ?悪い?馬力は?いつ出るの?価格は?と、まあとにかく誌面の巻頭から大騒ぎだ。
 いま僕の手元には2月下旬発売の「CAR and DRIVER」誌があるのだけど、特集は「新型RX-8の全貌」という、そのものズバリのタイトルだ。ここでは、いかにもスポーツカー然としながら4ドアを実現したスタイリッシュなエクステリアと、新開発の高効率ロータリーエンジンで話は相当盛り上がっている。
 で、これらのクルマが紹介されるとき、慣用句のごとく使われるのが、
 「僕らが待っていたZ」とか、
 「RX-8のキャビンに乗る日が待ち遠しい」
なんていうセリフの数々だ。
 うーむ、そこで僕は聞きたいんである。その待ち焦がれている人達ってどこの誰なの?

見えない「ユーザー」
 ご存知のように、この日本では元々ピュア・スポーツカーやクーペ市場なんていうものはほとんどないに等しい。実際現行のフェアレディZは歴代最高のデザインなどと言われながらも、販売状況は月にふた桁という状態だし、バブル期に絶好調だったマツダのデザインワークが光るRX-7も然りだ。クーペでは比較的廉価に設定されたセリカやシルビアもパッとしないし、高級版であるソアラなんてもうサッパリじゃないか。
 で、僕は何が言いたいかというと、いくらメーカーのイメージリーダー的な存在だったり、あるいはド派手なモデルであったりしても、実際の市場がほとんどないクルマ達に、どうしてかくも大騒ぎをするのか、ということ。「待っていた」「期待したい」と連呼するけれど、それは一体誰が叫んでいるの?ということなんである。

地味でも大切なこと
 ミニバンブームの中、セダン不況などと言われながら、たとえばトヨタのカローラやヴィッツは相変わらずバカ売れ状態だ。結局一家に一台の日本では4座以上の実用車が需要のメインなんだけど、やり方、作り方によっては、こうして流行のミニバンを凌駕するクルマが売れるのである。ならば、どうしてそうしたジャンルの扱いを地道に行えないのか?
 具体的に言っておこう。日産であればカローラに叩きのめされたサニーについての提案などは何故できないのか?マツダに燃費面で優れたロータリーが出来たというのなら、それを最大限に利用した実用的コンパクトカーの期待はないのか?シビックは5ドアをメインにした商品展開を行ってセダンの改革を図ろうとしているときに、それにスポットを当てた企画をせず、どうしてタイプRばかりに注目するのか?
 いや、誤解して欲しくはないのだけど、僕は決してZやRX-8を取り上げるなとか、不必要だなどと言ってるんじゃあない。問題はその取り上げ方なんである。
 たとえばこのZコンセプトに焦点を当てて、今後の日産のデザインテーマを読み解くとか、あるいはスポーツカーある生活を提案してみるとか、はたまたスポーツカー論を掘り下げる、なんていうことならきっと意味があるだろう。けれども、あたかも日本中のクルマ好きが財布の口を開けてZを待っているかのような誤解を与える「バカ騒ぎ」だけではお話にならないということなんである。

 ま、気持ちは分からないではない。やっぱり地味な実用車よりパッとしたクルマ、とくにスポーティなクルマが編集者自身お好きなんでしょう。一日も早く箱根で思い切り飛ばしたいんでしょう。でもね、自分達は強い影響力を持ち、同時に責任も負った「メディア」であることを是非とも忘れないで欲しいんである。

(すぎもとたかよし)

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