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              ■ガソリンよもやま話 
              2007■ 
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             150円突破は、マネーゲームの所産 
               
               ガソリン価格がついに150円時代に突入しました。石油情報センターが発表した11月12日現在の石油製品価格動向調査によると、全国平均のガソリン店頭価格(1リットル当り)は、レギュラーが150.1円、ハイオクが161.0円と、1987年の統計開始以来初めて150円台を突破しました。全国24都道府県で150円を超え、最高値は長崎県の157.5円、最低値は沖縄県の146.4円です。 
               
               近隣スタンドの価格看板も149円〜153円を表示しています。各店とも会員(カード)割引や土日割引などを実施しており、実勢価格は2円程安くなります。3日前にENEOS(セルフ)で給油した時は148円でした。記憶にあるかぎり生涯最高値の給油です。 
               
               店頭価格高騰の最大要因は、言うまでも無く原油価格の暴騰です。日経ビジネス11月12日号の時流超流「マネーゲームの沈静化に妙薬なし」によれば、原油の100ドル超えが現実味を帯びて来た。WTI先物価格は今月に入り一時96ドルをつけた。昨年末から今年初めには1バレル50ドルを切る水準だったのが、10月初旬に80ドルを超え、僅か1ヶ月で15ドルほども値を上げた。その上昇スピードは驚異的だ。 
               
               原油だけでなく金などの商品相場も急騰している。これは、需要が増えたから価格が上がるという市場原理が働いたからではなく、世界的カネ余りで生じた投機マネーが、サブプライムローン問題の影響などで不安定な株式市場や債券市場を避け、原油相場に急激に流れ込んだマネーゲームの所産以外の何物でもない。 
               
               
               打つ手がないまま、世界経済は不安定な冬を迎えつつある…ようで、株安・円高が続く我国、値下がりは当分期待できないようです。(>_<) 
             
            (2007年11月15日) 
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          2006年度元売り別販売量シェア〜昭和シェルの拡大続く 
             
             日本経済新聞の「点検シェア攻防、本社100品目調査」によると、2006年度のガソリン国内販売量は約6048万キロリットルと、前年度より1.5%減った。低燃費車が増えているほか、原油価格高騰による相次ぐ値上げで、消費者の節約志向が強まった。 
             
             
            
               
                 | 
                 
                   シェア(%) 
                 | 
                 
                   前年度比増減(%) 
                 | 
               
               
                | 新日本石油(ENEOS) | 
                 
                   23.2 
                 | 
                 
                   ▲ 0.4 
                 | 
               
               
                | エクソンモービル | 
                 
                   19.1 
                 | 
                 
                   ▲ 0.2 
                 | 
               
               
                | 昭和シェル石油 | 
                 
                   16.1 
                 | 
                 
                   + 0.5 
                 | 
               
               
                | 出光興産 | 
                 
                   14.2 
                 | 
                 
                    + 0.1 
                 | 
               
               
                | コスモ石油 | 
                 
                   11.3 
                 | 
                 
                    0 
                 | 
               
               
                | その他 | 
                 
                   16.1 
                 | 
                 
                   0 
                 | 
               
             
             
             市場縮小の中、元売り各社が採算重視方針を強める中で、3位の昭和シェルのみが販売量拡大戦略を取りシェアアップ。1位新日本石油は、系列店での小売価格の先行値上げなどによる割高イメージの定着が響き、また2位エクソンモービルも、価格戦略の違いから系列特約店が他系列へ移籍する事例が相次ぐなど、上位2社がいずれも2年連続でシェアを落とす構図となった。 
             
             先月も、近隣のコスモ系スタンドが廃業しました。一昨年はENEOS、昨年はESSO。僅か1キロ四方に6軒もあった過密地でしたが、3年間で半減しました。スタンド数がこれだけ減少しても、一向に不便さを感じないというのが、“必然”を物語っているようです。 
            (2007年9月11日) 
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           顧客満足度、トップはモービル(フル)と三井(セルフ) 
             
             J.D.パワーアジア・パシフィックは、「2007年日本サービスステーション(ガソリンスタンド)顧客満足度調査」結果を発表した。スタッフやオペレーション、店舗施設、商品・サービス、精算・支払いの5つのファクターそれぞれの満足度を調査し、総合満足度を算出した。 
             
             フルサービスのトップは「モービル」、5ファクター全てで最も高い評価を得た。2位「コスモ」、3位「シェル」。いずれもスタッフとフルサービスオペレーション、精算・支払い(コスモ)、店舗施設(シェル)が高評価を得た。 
             
             セルフサービスは「三井石油」がトップ、スタッフ以外の4つのファクターでトップとなり、特にガソリンの価格を含む商品・サービスで他社を大きく上回った。2位「モービル」は、セルフサービスオペレーションや精算・支払い、商品・サービスの評価が高く、3位「出光」はスタッフの高評価が強みとなった。 
             
             一方、フル、セルフとも「JA-SS(ジェイエーエスエス)」が最下位、次いで「キグナス」が同2位となり、いずれも満足度が低かった。 
             
             
             主に利用している店舗やチェーンを今後も利用したいかどうか(再利用意向)や、知人に勧めたいかどうか(推奨意向)については、フルとセルフいずれも顧客満足度が高くなるにつれて高まることが明らかになった。 
             
             
             私は、商品・サービス(価格)やアクセスの良さから、最近は専らENEOS(セルフ)、まれにESSO(フル)を利用しています。皆さんは如何でしょうか? 
            (2007年9月11日) 
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             史上最高値(145円)更新! 
               
               懸念していたとおり、ガソリン価格が史上最高値を更新しました。 
               
               石油情報センターが発表した8月6日時点のレギュラーガソリンの全国平均店頭価格は、前週比3.8円アップの145.1円/L。昨年9月につけた144.1円/Lを更新し、同センターが公表を始めた1987年以降最高値となりました。 
               近隣スタンドも同様です。月初に一斉に価格看板が書き換えられました。概ね約5円/L値上がり、143円〜147円/Lとなりました。 
               
               何故、この時期にこんなに高騰したのでしょう。もちろん、元売り各社が卸価格を引き上げたためです。各社は値上げ理由を、今回もまた原油価格の高騰や円安・ドル高によるコストアップと説明しています。これらが大きなウェイトを占めるのも確かでしょうが、毎回毎回同じ要因に帰すのは如何にも安易ですし、その中身もまた不透明です。 
               一方、夏休みの真っ只中、年間で最も需要が盛り上がるこの時期は、小売価格への転嫁が最もし易い時期でもあります。  
               
               上記を読売新聞は、「消費者“自衛”、産業界“限界”」とのサブタイトルで報じ、テレビもニュース番組だけでなく各局のワイドショーが相次いで取り上げるなど、その影響は極めて深刻です。 
               この業界にもまた、“説明責任”や“透明度”が求められています。 
            (2007年8月10日) 
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             卸値格差≠小売格差 
               
               先月読売新聞に「ガソリン卸値格差」と題した記事が掲載されました。 
               
               ガソリン価格が上昇するなか、石油元売り会社などの系列スタンドと独立系の中小スタンドが、ガソリンの卸売価格を巡って対立している。独立系スタンドは「石油元売り各社や商社が、系列スタンドへの卸売価格を不当に安くしている」と訴え、経済産業省・資源エネルギー庁は監視を強化する。 
               両者の卸売価格を比べると、系列向けの方が9〜7円/L安く、複数の元売りから余剰となったガソリンを安く仕入れることができる商社系向け卸売価格も、独立系より10円程度安い。元売り各社は、卸値は輸送コストや取引規模などを考慮し、合理的な範囲内で決めているとし、不当廉売や差別対価ではないと反論している。 
               
               
               小売価格について、これまで元売り別やセルフと一般スタンド間の価格差などしばしば取り上げてきましたが、同一元売り同士(独立系、元売り・商社系)について取り上げたことはありませんでした。 
               
               全国のガソリンスタンド(約45,800店)の約8割が独立系ですが、販売シェアは元売り子会社(約15%)や商社系(約14%)が年々上昇する一方減り続け、約66%にまで低下したようです。 
               実際にこのスタンドは独立系、あのスタンドは系列・商社系と見分けるのは不可能ですが、確率的にはこの近辺にもいくつかの系列・商社系スタンドがあるはずです。この問題に気付かなかったのは、卸価格差=小売価格差となっていなかったからに他なりません。 
               
               独立系向け卸価格をベースに小売価格が決められ、元売りや商社系スタンドが甘んじてこれに追随しているとすれば、“不当廉売”でなく“不当利得”なのでは?と思いますが・・・ 
             
            (2007年8月10日) 
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             セルフ対セルフ 
               
               セルフ式スタンドが急増しています。昨年末には、05年より1,100店増え、全国で6,000店を突破しました。年間増加数は1998年の解禁以来最多で、全スタンド数(約46,000店)に占める割合も13%となりました。 
               
               前記のように、私の住む大和市周辺は一層顕著です。昨週も、時たま利用するENEOSのスタンドが、約4ヶ月間の改装を終えセルフに生まれ変わりました。ここ数年でスタンド事情は一変です。フルサービスの半数近くがセルフに転換もしくは廃業、結果セルフ(7店)がフルサービス(6店)を上回りました。 
               
               価格状況にも変化が見られます。これまでは、セルフ対フルサービスという構図で、セルフは概ねフルサービスより約2円安く設定、セルフ同士の価格差はあまりありませんでした。これからはセルフ対セルフという構図です。新規店が3円安のオープン記念特価を付けると、隣の既存店がすかさず対抗(プリカ利用で3円安)、近隣のセルフも1〜2円安(平日ないし休日特価)で追随。といった具合です。 
               
               利用者にとっては嬉しい限りですが・・・ 
             (2007年6月28日) 
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             レギュラー、再び140円台に 
               
               元売り各社が7月出荷分の卸価格値上げを発表、これにより4月以降上昇し続けていた店頭価格(全国平均)が、来月には再び昨年10月以来の140円超え(レギュラー)となるのが確実になってきました。値上げは5ヶ月連続で、新日本石油は前月より3.8円/L、昭和シェルは同1.8円/L引き上げます。値上げ理由は、相変わらず原油価格の高騰と円安です。 
               
               昨日、給油の傍ら近隣スタンドの店頭価格を調査してみました。値上げを見越してか、価格看板が白紙の店が2店ありました。また、表示価格より2〜3円安くした特別価格( 
              )を訴求している店も数店ありました。 
               以前、「競争より共存?」と題し「最近はもっぱら、談合でもしているかのように、セルフ・一般同士は同価格、セルフ・一般の差は1-2円、看板書換え日も同じ…」と記しましたが、様変わりしたようです。 
             
            
               
                |  
                   ( )は特別価格 
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                   レギュラー(円/L) 
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                   ハイオク(円/L) 
                 | 
               
               
                | ENEOS(フル) | 
                 
                   136 
                 | 
                 
                   146 
                 | 
               
               
                | ENEOS(セルフ) | 
                 
                   134 
                 | 
                 
                   144 
                 | 
               
               
                | ENEOS(セルフ) | 
                 
                   134(132) 
                 | 
                 
                   144(142) 
                 | 
               
               
                | ENEOS(セルフ) | 
                 
                   134(131) 
                 | 
                 
                   144(141) 
                 | 
               
               
                | cosmo(フル) | 
                 
                   139 
                 | 
                 
                   149 
                 | 
               
               
                | cosmo(セルフ) | 
                 
                   134 
                 | 
                 
                   144 
                 | 
               
               
                | ESSO(フル) | 
                 
                   表示無 
                 | 
                 
                   表示無 
                 | 
               
               
                | ESSO(フル) | 
                 
                   134(132) 
                 | 
                 
                   144(142) 
                 | 
               
               
                | mobil(フル) | 
                 
                   表示無 
                 | 
                 
                   表示無 
                 | 
               
               
                | mobil(セルフ) | 
                 
                   131 
                 | 
                 
                   142 
                 | 
               
               
                | 出光(フル) | 
                 
                   134 
                 | 
                 
                   144 
                 | 
               
               
                | JOMO(セルフ) | 
                 
                   134 
                 | 
                 
                   144 
                 | 
               
               
                | 太陽(セルフ) | 
                 
                   133(130) 
                 | 
                 
                   143(140) 
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             当分の間は、130円台で給油できそうですが・・・ 
            (2007年6月28日) 
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             燃料で変わる自動車 
               
               先月から今月にかけ、日経BPnetの特設サイト「ECO JAPAN」に、「燃料で変わる自動車〜バイオエタノールと電気が脱化石の扉を開く」と題した特集記事が掲載されました。概要をご紹介します。 
               
               前書きに、「化石燃料がほぼ独占してきた自動車燃料に、地殻変動が起きている。ブラジルが震源となったバイオ燃料は欧米を巻き込み、安倍晋三首相の指示と報じられた“ガソリンの10%を国産バイオ燃料に”が日本に激震を起こした。さらに電気、水素が浮上。これら代替燃料は、自動車の未来を一変させる可能性を秘めている。」とし、自動車メーカーや燃料・電池メーカーなど関連業界の取り組みはもちろん、経済産業・農林水産・環境各省の対応や世界各国の動向などを、前・中・後編にわたり幅広くレポートしています。 
               
              ○前編:自動車は第2の創生記へ。石油独占を崩し始めたバイオ燃料 
               
               自動車の創生期の19世紀後半、化石燃料が抜きん出る前は蒸気や電気も候補になっていた。“CO2削減”と“再生可能”が自動車に新たな選択を迫り、再び多様な燃料の競争が始まろうとしている。今とは違う未来に向けて、自動車は走り出すのだろうか。 
               日本発の商業プラントが稼動するなど石油独占を崩し始めたバイオマス燃料だが、現状の供給力はゼロに等しく話題が先行している状況だ。京都議定書の第1約束期間を目前にして、対策が本格的に稼動する。 
               
               
              ○中篇:しんがりが描く逆転のシナリオ〜電気自動車になだれ打つメーカー 
               
               自動車からエンジンが消え、二次電池とモーターが取って代わる。そして、自動車は電気製品になり、産業構造は激変する。1970年代の石油危機と、90年代の米カリフォルニア州の排出ガスゼロ規制で電気自動車が注目を集めた際、こんな見通しが真剣に語られた。 
               今、プラグイン・ハイブリッド車と軽自動車の代替という橋渡しを経て、本格的な電気自動車の普及につなげるという新たなシナリオの下、自動車の電気製品化の現実味が増してきた。これが実現するか、再び泡と消えるかは、二次電池の技術革新を目指す3度目の挑戦がカギを握っている。 
               
              ○後編:ホンダの3本線とトヨタの山登り〜その中身と意図は? 
               
               開発は全方位で進める。この姿勢はトヨタ、ホンダ、日産に共通する。代替燃料への対応技術は、“いつかくる明日”の競争力を決めるからだ。 
               昨年夏に1バレル約80ドルにまで高騰した原油は、現在50ドル台まで戻った。原油高に対する危機感も落ち着いた状況だ。だが、再生可能エネルギーへの移行に向けた自動車メーカーの開発は、こうした原油価格の短期的な変動に惑わされることなく着実に進む。 
            (2007年4月17日) 
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           22週連続値下がり、物価指数押し上げ効果も終息? 
             
             ガソリン価格(全国平均)が22週連続して値下がりし、昨年2月以来1年ぶりに130円台(レギュラー)を割り込みました。原油価格の高騰で、04年以降は毎月前年同月を上回り続けてきましたが、原油価格下落に加え販売減少で価格競争が激化し、ようやく前年並み水準に落ち着いたようです。 
             ・ガソリン販売量、32年ぶり前年割れ 
             
             上昇を続けてきた消費者物価指数が、前年割れする可能性もでてきたようです。生鮮食品を除く総合指数はIT機器の価格下落などで押し下げられる一方、石油製品が大きな押し上げ要因となってきましたが、昨秋以降寄与度が下落、2月分の指数では一転して押し下げ要因になるとの見方も出始めました。 
             ・ガソリン価格130円割れ、物価押し上げ効果終息か 
             
             先週来、近隣でも118〜126円/L(レギュラー)と、120円を切る価格看板が見られるようになりました。ピーク時(142〜145円/L)より20円強の値下がりです。競争激化を反映してか、セルフと同等もしくはより安い価格をつける一般スタンドも出現、また、これまで比較的高めの価格設定をしていた系列スタンド(出光、コスモ)の値下げも目立ちます。 
             
             そしてまた新たな廃業が…。昨年、一昨年に続き3件目です。後地は、1軒はコンビニになりましたが、1軒は半年以上たった今でも解体もされずそのままの姿をさらしています。この先、一体どうなるのでしょうね? 
            (2007年2月23日) 
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           暖冬で値下がり加速? 
             
             暖冬の影響で、欧米の原油価格が急落しています。ニューヨークの原油相場は年明け後大幅続落、終値ベースで1バレル55ドル台と、05年6月中旬以来約1年半ぶりの安値水準となりました。 
             
             ガソリン小売価格も、中東情勢の緊迫化などを背景に、夏場に一時1ガロン3ドル台にまで急騰、その後急落し10月以降は2.2-2.3ドル台で推移していましたが、原油急落を受け下落傾向が見られるようです。 
             
             
             日本の店頭価格も同様、秋以降は下落傾向となり、年末のレギュラー価格は全国平均で134.2円/Lと、15週連続で下落しました。 
             
             一方、近隣スタンドは、年末に125−127円/Lとやや値上がり傾向を見せました。元売り各社の卸値引き上げ(07年1月出荷分より1.5円/L程度アップ)表明もあり、更なる値上げを心配しましたが、年明けは123−125円/Lに戻り、一安心といったところです。 
             
             
             このまま暖冬が続けば、一層の値下がりが期待できる?  
            (2007年1月5日) 
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