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・メーカー・車名 |
スバル「レガシィB4」 |
・車両概要 |
2000cc、4AT、RSK |
・購入時期・形態 |
01年、新車 |
・総走行距離数 |
5,000km |
・主な使用状況 |
通勤、冬場のレジャー |
・スタイル外観 |
8点 |
・スタイル内装 |
8点 |
・走り |
6点 |
・操作性 |
9点 |
・居住性 |
9点 |
・燃費 |
4点 |
・総合評価 |
7点 |
・寸評(良い点) |
○高回転域(4000回転以上)でのトルク感およびエンジンレスポンスは秀逸。
○回頭性は抜群。コーナーリングも限界域に近づいてもオンザレイル感覚で走れる。足回りの剛性が非常に高く、多少の事ではコーナーであわてるような事はない。
○215/45R17のタイヤをはいた高速高回転仕様の車としては、ドライバーにとっては不満の無い乗り心地。
○外見上がオーソドックスでありながら、引き締まった佇まいを見せている。
○5ナンバーサイズの車としては広い室内空間を実現させたパッケージングは見事。
○ブレーキは満足できるレベル。00年マイチェンまでのモデルではブレーキングに問題があったようですが、今は大丈夫です。
○トランクが意外と広い。 |
・寸評(不満な点) |
×「B4/RSK/AT」車の場合、気持ちの良い高回転域とは裏腹に1000回転から2000回転は、ほとんど不感症帯(メーターの針だけ反応して、トルクがほとんど出ない)。マニュアルシフトにしておけば、1速で第1ターボまでもっていけるのでまだましですが、ATでは3000回転アップまでは、ただの国産2リッター車。先日、新型「B4」に試乗したときにも、7%改善されたという低中速域実用トルクの向上を体感する事はできませんでした。今時RSKほどの高性能車で、4速ATはいただけません。開発コストがかかるのはわかりますが、世界のプレミアムセダンを目指すなら5速ATぐらいは当たり前です。
×高速での安定性に疑問あり。他に所有している、BMW、メルセデスとは高速域での安定性には大きな開きを感じます。100キロ超えたらもっとビシッとまっすぐ走って欲しいのです。
×燃費が非常に悪い。東京都内での通勤では、流れに乗って走るだけで4000回転まで回す事などほとんどなくとも、リッター5.5〜5.8キロくらい。高速でゆったり走って(走行車線を100〜110くらいで巡航)ようやく8キロ。一度だけ箱根でめいっぱい走った時には3キロ台と、カタログにある、10・15モードでリッター11キロという数字は「本当に本当?」と疑いたくなります。
×シート(本革仕様)の出来が良くない(日本車においては平均レベルか?)。ハイテク技術の進んだ日本で、まだまともなカーシートが作れないのは何故でしょう?。底座面と腰部(尾てい骨から5〜20センチくらいの間)の奥の支えの部分がバシッと決まらないので、2時間も運転していると腰に疲れを感じてくるのです。オプションでレカロのシートなどを設定して欲しいものです。
×レガシィの外見で唯一の不満がテールランプのデザイン。こればかりは好みの問題なのであまりとやかく言えませんが、もう少し何とかして欲しいです。アメリカ仕様のアウトバック(ランカスター6のセダン)のテールデザインならOKです。
×時折ダッシュボードのあたりからきしみ音が聞こえる。コーナーリングでの高剛性感からすると、問題はボディーの基本構造からくるのではなく、内装の取り付けなどに一部問題があるのではないかと思われます。
×ドアの形状が悪い。デザイン的にはこれでよいのでしょうが、機能的に問題有りです。まず、前席のドアですが、サッシュレスで視認性が悪く、ガラスの角が少し尖ったようになっているので、顔をぶつけたり何かを引っかけたりする可能性が高くなります。現に、雨の日に鞄を左手に、傘を右手に持ってガラス越しに持ち上げて運転席に乗り込もうとしたときに、半袖の袖口を引っかけて破れてしまい、お気に入りのレコパンのシャツが1枚靴磨き用の布になってしまいました。もちろん、本人がいかなる時も冷静に気を付けさえすればこんな事は起こらないのですが。また、後席ドアも形状が長く出っ張り部分があるので、子供などが駐車場でドアを開けるときには必要以上に気を遣います。
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・その他自由意見 |
◇最初に試乗したのが、友人の所有する「B4/RSK/5MT」。時は00年12月の或日曜日の午前8時頃、場所は西新宿の高層ビル街。つまり、他の車や歩行者を場所によっては全く目にすることなく、「B4」の性能を遺憾なく発揮させることができました。このときのMT車の第一印象が良すぎたために、普段「BMW
320」に乗っている家内も何かの時に運転できないと困るとの意見に押され、2回目に最寄りのディーラーの近くで、渋滞の中試乗した「B4/RSK/4AT」もこんな物かと勝手に納得してマイチェン前の在庫車を即買ってしまったのが後悔のはじまり。低中速トルクの無さと、レスポンスの悪さに、スバルのおっしゃる「気持ちの良いエンジン」、カタログで公表されている出力・トルクカーブと実体の乖離に怒りさえ覚えながら、カタログのグラフは大嘘じゃないかと東京スバルのかわいそうな営業担当者に詰め寄るも後の祭り。
◇ただ、先日試乗した、2.5リッターNAエンジンの方は低中速トルクも町乗りでは、ほぼ満足できるレベルにあり、購入した車の用途を考えると、もう少し待ってこちらにすべきであったとつくづく思うのです。スバルのおっしゃる、エンジンレスポンスが低中速からリニアにトルクの出る「気持ちの良いエンジン」には、2.5リッターの方が遙かに近いと思います。「B4/RSK/4AT」車に関しては、「気持ちの良いエンジン」ということを額面どうりに受け取ると後悔することになります。「B4」の購入を検討されている方はRSKならばMT車を、渋滞する市街地を中心に乗られる方には断然2.5NAがお奨めです。
◇普段、「B4」の他に以前から乗っている「メルセデス E240ステーションワゴン」および「BMW
320」と比べますと、絶対性能では「B4」の方が遙かにしのぎますが、実用域での「気持ちの良いエンジン」となると、低速域でのトルク感、エンジンのレスポンスなど普通に町中を運転していて「気持ちよい」と感じられるのは「BMW」であり、全くスポーティーでもない「メルセデス」のワゴンの方なのです。ただ、時速100キロ以下での「気持ちの良い走り」に関しては、回頭性のよさと、剛性感の高い足回りなどから「BMW
320」と同等または場合によってはそれ以上、「E240」ワゴンと比べれば遙かに楽しい走りができます。
◇12年ぶりに購入した日本車で、初めてのスバル車。自動車ジャーナリストの皆さんの評価もすこぶる良かっただけに、期待感が大きくなりすぎて、マイナス部分だけがクローズアップされてしまい、批判が多くなりましたが、実勢購入価格240万円という値段を考えれば、少し酷かなと言う気はします。しかし、「レガシィB4」が世界のプレミアムセダンを目指すのであれば、まだまだ改良改善の余地は大きいと断言できます。
◇次のモデルチェンジでは、是非とも2.5リッターのターボモデル(「アウディ
A6クワトロ 2.7T」のように、ターボを全く感じさせずに低速から4〜5リッターエンジンの様なトルク感のあるエンジン)または、3リッターのNAモデル(「BMW
330」のように低速回転からリミットまでアクセルの踏力とほとんどリニアに吹け上がるエンジン)を是非作り出してください。
◇かつて名車「スバル 360」を世に送り出した「熱き血と汗」を受け継いでいるであろう、現スバルの経営者およびエンジニアの皆様には、さらなる「熱き血と汗」を注いでいただき、21世紀の名車「レガシィB4」を世に送り出していただきたいと切に願っております。
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