●「Heart-Beat Motors」
三菱自動車が企業イメージの一新に取り組んでいる。看板商品「パジェロ」が大ヒット、RVブームをリードしたものの、ここ数年乗用車の国内販売は不振続き。今年1月に発売した3列座席のユニークなミニバン「ディオン」から、新ロゴマークと、キャッチフレーズとして「Heart-Beat Motors(ハート・ビート・モーターズ)」を使い始めた。
パジェロは、同社に「技術指向が強く、製品は堅牢で耐久性に優れる」という企業イメージを定着させた。その開発思想はRV車だけでなく、高級セダンから軽自動車まで浸透した。品質・性能重視の陰で、コスト削減や市場ニーズの把握はおろそかになった。(ミニセルシオ化して失敗したカローラのケースもあったが…)
「市場の声をつかんでいない」との危機感が、組織変更や開発・マーケティング戦略全般の見直しとなった。ダイムラークライスラーとの資本提携に世界市場での生き残りをかける同社だが、その成否は偏にブランドイメージの確立・強化による国内市場での巻き返しにかかっている。幸いディオンの評判は上々のようだし、先月モデルチェンジした「ランサーセディア」も好調な出足のようである。同社の復活に期待しよう。
さて、改めて各社の現状のキャッチフレーズを眺めてみた。それぞれ企業イメージを体現している。大手広告代理店の創作であろうが、さすがである。
・トヨタ :Drive Your Dreams. 「人、社会、地球の新しい未来へ。」
・日産 :?
・ホンダ :人と、地球に「夢・発見・ドラマ」を。
・マツダ :心を動かす新発想。
・三菱 :Heart-Beat Motors 「いいもの ながく」
・いすゞ :THE SUV SPECIALIST
・スバル :Active Driving,Active Safety
・スズキ :小さなクルマ、大きな未来。
・ダイハツ:We do COMPACT.
日産だけが新聞、雑誌、Webどこを探しても見当らない。「人とクルマの明日を開く技術の日産」「変らなきゃ」など日産には記憶に残る数々のキャッチフレーズがあった。
ゴーン氏のもとでどんな企業イメージを目指そうとしているのだろうか。(00/06/17 わたなべあさお)
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